『週刊プレイボーイ』が新宿・歌舞伎町に酒場を出す―そんな噂を耳にしたとき、失礼ながら、初めて抱いた感想は「ロフトプラスワン(歌舞伎町にあるトークライブハウス)で雑誌イベントでも行うんだろ?」というものだった。が、どうも様子がおかしい。「グラドルが日替わりママを務める」「1年限定」「フリー入店可能」。骨格が露わになるたびに、そのガチ度に言葉を失う。例えるなら、エベレストの超難解バリエーションルートを狙う主人公に対する、ライバル登山家の衝撃に比肩する。
「無酸素単独登頂。やる気なんだ。言わなくてもわかる。こういうアイディアがあったんだ」(集英社文庫『神々の山嶺』 長谷常雄の「K2日記」より)
他誌の企画にまんま便乗するようで気は引ける。が、週プレもSPA!も、同じ週刊誌業界を盛り上げようとする呉越同舟の間柄。本気度を測るため現地へ向かった。
日替わりママがセクシー衣装で登場
JR新宿駅方面から歌舞伎町の目抜き通りを進む。TOHOシネマズの手前左のビル5Fに「週プレ酒場」はあった。壁面を覆う馬場ふみかの特大水着パネル。“プレイボーイ”と書かれたネオン電飾。近隣にあるロボットレストランに匹敵する、ギラギラとした内装設計だ。
「いらっしゃいませ~」白いTシャツに赤いエプロン姿のガールズ店員たちが笑顔でお出迎え。まずはビールで乾杯。「週プレの唐揚げ」「生本まぐろのてんこ盛り」などに舌鼓を打ちつつ、店内奥にしつらえてある完全予約制の「週プレ酒BAR」へ。
ここでは、グラビアアイドルが“日替わりママ”として接客をしてくれるのだ。5人定員のカウンターに腰掛けて、黄色い紙に自分の名前を書いて待機。「どうぞ~」というチーママの掛け声と同時に、この日のママ・月城まゆちゃんがカウンター奥から登場。まずは、名前の書かれた紙を確認してご挨拶。
「今日はありがとうございます。スギナミさん、いらっしゃいませ」肌の匂いや体温まで伝わってきそうな至近距離で、まさに無酸素単独登頂状態に。お酒を酌み交わし「まゆちゃん」「スギちゃん」と呼び合いつつ、トークが進む。
「お酒、特に麦焼酎がめっちゃ好きです。酔っ払うと『ちょっとぉ、もっと飲んで!』と語気が荒くなっちゃうのがタマにキズかなぁ」
初恋話や好きな男のタイプなどを聞きつつも、酔いが回るにつれ「どこかでマネジャーが監視してるんじゃ……」という当初の警戒心も薄れてきて、「まゆちゃんは受けか攻めかでいえば……」と、下ネタ方面に話を振ると、少々食い気味に「受けです!」と反応してくる。
「ドMなんですよ。首輪や緊縛グラビアにも興味あります!」
最後の一言に軽~く、小誌「グラビアン魂」への営業感も見え隠れしたが、それはヤボというもの。ともあれ可愛いグラドルとくだけたトークを楽しめる、週プレの“本気”に脱帽する夜であった。
【週プレ酒場】住:新宿区歌舞伎町1-18-9 WaMall歌舞伎町5F
電:03-6273-9787
営:17~24時
料:「週プレ酒BAR」のチャージは1万円(税別)でコース料理付き。
各回1時間の3部制。詳細は公式サイト(http://shupure-sakaba.jp/)まで
撮影/西田 航
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スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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