モノマネ界の聖地新宿・キサラで抱腹絶倒のショータイムを

そっくり館キサラ 人の悩みは贅沢なもので、嗜む程度に夜の街に繰り出して遊んでいると、あるときふと「何をしても、どこへ行ってもつまらない」と感じてしまうことがある。まるでスランプ、5月病のような気持ちである。

 かく言う私もそんな贅沢な悩みを抱え、近所のスナックでママを相手に「あ~もう、つまんねぇんだよ、何やっても」なんて愚痴をこぼしたところ、「ショーでも観て憂さ晴らししてみたら~」なんてオススメされたのが、今回のお店、そっくり館キサラだ。そう、こちらのお店は知る人ぞ知るなんてレベルじゃない、まさにモノマネ界の聖地である。

飲んで笑って腹いっぱいに……

 さっそく口開け早々にお店を訪れると、店の前の階段に早くも開店待ちの列。そそくさと並び、開店と同時に店内に入ると店員たちの流れるようなマイクパフォーマンスが炸裂し、酒も飲んでいないのあっちゃこっちゃで笑いの渦が巻き起こっている。席に通され、ビュッフェ形式の食事と飲み放題のビールやハイボールを飲みながら、今度は開演を待つことに。

 オススメされたスナックのママから「カレーおいしいから、絶対に食べるんだよ」と言われたことを思い出し、特製の牛すじカレーをよそって食べたのだが、これがまた本当に旨い! トロトロの牛すじを肴にビールを飲みながら、ハイテンションな店員たちのパフォーマンスを楽しんでいると、いつしか開演の時間になってしまった。散々笑わせてもらって、おまけに酒もたらふく飲んで、腹いっぱいなのに、ここからさらに本番とは、なんとも太っ腹な店である。

ビュッフェ形式の食事

ビュッフェ形式の食事と侮ることなかれ。どれもこれもレベルが高く、本文でも触れたようにカレーは絶対に食べてほしい一皿

笑うのを忘れて芸に感動する

モノマネ芸人

勢揃いのモノマネ芸人たち。上段左から右へ、ニッチロー’、筍-TAKENOKO-、ジョニー志村、河口こうへい。下段左から右へ、よっぴ、まねだ聖子、アントニオ小猪木。

 そしていよいよモノマネ芸人たちが登場となったのだが、こちらはテレビでたまにモノマネ番組を見る程度なので、どんなもんかと思っていたのだが……これが想像を超えるクオリティの高さ。トップバッターの筍-TAKENOKO-の石原裕次郎ネタは年配客のハートをガッチリ摑み、続いて登場した河口こうへいの島田洋七ネタで私のハートは鷲摑みにされてしまった。そして無言のままバッターボックスに立ったイチローのそっくりさんこと、ニッチロー'は一言も声を出すことなく、その姿とバットコントロールで客の視線を釘付けにしてしまう……。

河口こうへい

個人的に最もツボだったのが、河口こうへいの島田洋七師匠のネタ。特徴をデフォルメしながらオリジナリティ溢れる芸に落とし込むワザは、生で味わえば感動もひとしお

美川憲一と松田聖子がまさかの夢の共演!?

よっぴ

七色の声を持つと言われるよっぴ

 七色の声を持つと言われるよっぴのネタは、笑うのを忘れて感動してしまうレベル。まねだ聖子が登場すると感嘆の声が……。

アントニオ小猪木から特別に闘魂ビンタ

最後にお願いして、アントニオ小猪木から特別に闘魂ビンタで明日への活力を注入!

 さすがである、テレビで見るのはせいぜいワンフレーズ程度だが、完成された構成とネタ回しを間近で見てしまうと、口をあんぐり開けて笑うのを忘れて感動すらしてしまうからもったいない。なぜなら、本当にみんな巧いのだ。まぁ、素人の私がプロをつかまえて巧いというのも失礼な話だが……。

大トリのまねだ聖子

大トリのまねだ聖子

 代わる代わる出てくる芸人たちがテンポよくネタを披露していくので、気がつけば大トリのまねだ聖子が登場。客たちはペンライトを飾し、コンサート会場さながらの雰囲気に。あっという間に1時間のショータイムは終了。笑いに飢えたらまた来よう……と思いながら帰途に就いた。

そっくり館キサラ【そっくり館キサラ】
住:新宿区新宿3-17-1-8F
電:03-3341-0213
休:なし
営&料:第1部/18~20時半:5500円 第2部/21~23時:4000円
(いずれもショー60分+飲み放題、食べ放題付き)+1000円で前方席確保も可能

撮影/赤松洋太

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