先日、新入社員と一緒に赤提灯の居酒屋に行ったところ、「ここ煙いすね~」と全然刺さらず、早々にお開きにしたスパムです。近年は呑んべえが集う駅のガード下や横丁にも小洒落た飲み屋が増えている。古くからの酒場で、周りの大人から社会人のイロハを学んできた世代としては寂しい限りだ。そんな折、今年4月に現役グラビアアイドルがオープンさせた大衆酒場があるとの情報が。いや、そうはいっても、タレント価格でお高いんでしょう? そんな思いを抱えながらも店に足を運んでみた。
生粋の酒好き女子が開いた呑んべえたちの憩いの場
訪れたのは、JR大久保駅から徒歩30秒ほどにある「大衆酒場まゆ」だ。線路沿いの雑居ビルの階段をあがり、入店すると間接照明に照らされたコの字カウンター席が特徴的で、なんともモダンな雰囲気が広がる。そこに「今日もお仕事お疲れさまでした」と、おしぼりを渡してくれたのが、店長の河原まゆちゃん。Tシャツにジーパン姿というラフなスタイルだ。
「ウチは私がお母さんとしてお酒や料理を振る舞って、お客さんには家の居間みたいにくつろいでほしくて。私自身がいろいろな酒場に行くので常連さんも飲み仲間が多いし、タレントがやっているお店って感じはないかも(笑)」お酒に心酔するグラドルが選りすぐりの美酒を振る舞う!
1杯目は生ビールで乾杯! 喉を鳴らしながら、ジョッキを傾ける豪快な飲みっぷりだ。Tシャツには人生のスローガンだという「No Sake No Life」の文字。聞けば、大衆酒場を一人で飲み歩くことが日課なんだとか。
「新宿ゴールデン街や中野が好きなんですけど、一杯飲むと止まらなくなっちゃうんですよ。6軒ハシゴして、日本酒を飲みながら焼き鳥の食べ比べをやったり。私は競馬も好きなので、週末は競馬新聞を片手に常連のおじさんたちと予想で盛り上がってますね。最長記録は……48時間かな(笑)」開店前に自ら仕入れた食材で手料理を創作!
呑んべえの気持ちがわかる彼女だからこそ、手書きのメニューに目をやればドリンクや料理など、料金設定も大衆価格になっている。
「お酒は自分がおいしいと思ったものしか出してないです。お客さんが酒屋の前掛けをプレゼントしてくれるぐらいお酒を愛してます(笑)。料理も近所のスーパーに買い出しに行ってから、日替わりで献立を考えるんですよ。お通しの漬物も自家製で、お客さんから『これだけで十分アテになる!』って、太鼓判を押されてます」また、大衆酒場の看板に誘われるお客さんも多いという。
「お店の窓から見える駅のホームがほぼ同じ高さなので、ホーム側から『今から3人行けますか?』って叫ばれて、サラリーマンの方が来てくれたり(笑)。地元の老夫婦が息を切らして階段を上ってこられたときはビックリしました」
近頃は、飲みニケーション自体が減少しているという話もあるが、「お酒を飲まない人も多いですけど、特にビールを飲む男子が少なすぎます!」と、まゆ店長。
「私は女友達を大衆酒場に連れていきますけど、意外とそういう場所での一人飲みに憧れてる女子って多いんですよ! ウチも世代を問わず、大衆酒場の楽しさを知るきっかけにしてもらいたいですね」
駅のホームからまゆちゃんに手を振りながら、次回は新入社員を連れていこうと思った夜でした。
【大衆酒場まゆ】住:東京都新宿区百人町1-23-17大久保南口共同ビル3F
電:03-6279-2869
営:17~24時(金土は17~25時、日曜は競馬終わり~22時)
休:月曜
料:チャージ料60分/1000円。イベントを不定期で開催。
HP(https://mayusakaba.jp/)
撮影/水野善之
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スパム 主に池袋界隈に出没。重度のタイツフェチで、レギンスに対しては反対の姿勢をとる
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