後輩は入ってきたものの、それ以上に“後輩感”が漂っているせいか、まだまだ下っ端扱いされるルイスっす。とにかくやることも覚えることもまだまだ多いけれど、戦士にも束の間の休息は必要だ。しっぽりと酒を嗜みながら、なんなら美人もその場にいたら最高なんだよな~と、よこしまな考えをしていたところ、それを見事に満たしてくれる場所に思いが至った。ここはいっちょ行ってみるか。
「いらっしゃいませ」。雅な着物姿と優しい笑顔で迎えてくれたのが、高円寺「おさけと小料理 non」の国本美咲さんだ。カウンター7席という小さな店を、一人で切り盛りしている。華美すぎない装飾、ずらりと並ぶ日本酒の瓶、そしてふと目に入る「本日のおすすめ」が書かれた手書き文字の黒板。うん、独り身にも居心地がよさそうだ。
「住宅街という場所柄、一人で来る方が多いので、どの料理も量を少なめにしています。10月からはおでんも始めていますよ」20代のうちに飲食店で独立するという目標を持っていた国本さんは、チェーン展開する和食店で店長経験を経たのち、3年前に26歳の若さでこの場所に店を構えた。
「高円寺には縁もゆかりもなく不安でしたけど、皆さん“ほどよい距離感”で接してくださって、一人でも営業しやすい街ですね」最近では、女性客、遠方からの客も多いという「non」。まあ、この柔らかい雰囲気には老若男女惹きつけられちゃうよなあ……。
おじさまから愛される女将の次の目標とは?
「いえいえ、そんな。『番組見て来ました』っていう方が今年に入って増えてきて」
実はここ、千鳥がMCを務める人気番組『相席食堂』でも取り上げられたお店。笑福亭鶴光からの“大(おお)セクハラ”を、華麗にかわしていた姿がずっと印象に残っていたのだった。
「私自身おじさま方からのちょっかいを楽しんでかわせるほうなので、鶴光さんの来店は嬉しかったですね! あの番組出演はいろんな意味で人生の転機になりました。噂を聞きつけてより多くのお客さまが来店してくださりましたし、そのなかから今の夫も見つかりまして(照)」
そんなドラマのような出来事が実際にあるのか……。国本さんと「non」の豪運には自分もあやかりたいところだ。今後のお店の展開についても国本さんは意気込む。「都道府県ごとに『non』のフランチャイズ店を出すのが夢です。各地を巡り、千葉の女将、埼玉の女将とその土地土地で特色が出せたら面白くないですかね?(笑)」
まさに“令和スタイル小料理屋”とでも言うべきチェーン展開も視野に入れている彼女。これからの活躍にも注目だ。
【おさけと小料理 non】
住:東京都杉並区高円寺南3-16-21
営:平日/16:00~22:00 土/14:00~22:00
日祝/14:00~21:00
休:火
電:03-5929-9948
料:瓶ビール700円、肉じゃが500円など
詳細はInstagram(@_non_sake_)まで
撮影/長谷英史
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ルイス 元クラブの黒服。しかし夜遊び自体の経験は浅め。特技は女子の中学時代の部活当て
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