デカ目、つけまつげ、キラキラ☆メイク。いまどきギャルと異文化交流体験【後編】

敬語NGの店内で距離がグッと縮まる

ギャルカフェ,テンション
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「いらっしゃいませ~。チョリザース(ピース)」

 ムムッ? いきなりそうきましたか。行き慣れない渋谷という土地柄もあり、かなりのアウェー感。「電波少年」のバウバウ松村の心境でそそくさと席につく。

「お兄さん、な~に? そのハット。あ~わかったぁ! ケツメ! ケツメでしょ? 貸して、私もカブりたい~」

 ヒョイッと帽子を取り、「代わりにこれあげる~」と、アイスクリームのかぶり物をかぶせてくるのは店長のきょんちゃん(26歳)。デビュー当時の宇多田ヒカルのようなタメ口調に、ついつい目元が緩んでしまう。

ギャルカフェ,テンション

目隠しをしてお酒を飲んで味を当てる名物メニュー「利きカクテル」。見えないフリして手を伸ばすスギナミにイエローカードの笛!

「ウチの女のコは敬語禁止だから。だって、トモダチ感覚で一緒に楽しみたいじゃない。あ、お客さんも敬語はダメだよ。言ったらテキーラ一気だかんね~」

 カフェというから、和やかにランチの展開を予想していたが、ちょっぴり波乱を感じる発言。夕方になれば店内の照明が少し落とされ、ナイトモードに突入。

ギャルカフェ,テンション

シャンパンを注文すると、マイクを持ったきょんママが「飲んで!ドンドン!!」とコール。夜の部はカフェというよりサパークラブのノリに近い

「確かにギャルって閉鎖的に見えるかもしれないけど、男の人たちが思ってるより、ずっとオープンなんだよ。新橋系のトークも好きだし。それに、酔っちゃえば老いも若きも、男も女も関係ないじゃない。なんか悩みがあったら、このきょんママが聞いてあげるよ」

 そう言ってドーンッと胸を叩くきょんママ。酔いも手伝ってか、その姿が、出会った頃のまどか先輩とダブって見える。

「姉御――ッ(号泣)」

 異世界の住人と思っていたギャルがこんなにも近い場所にいた。一回りも年下の女のコたちとフランクにトークを楽しみ、泣いて、笑う――そんな夜であった。

【ギャルカフェ・テンション】
ギャルカフェ,テンション
東京都渋谷区宇田川町13-9 渋谷2ビル7F 
電:03-6416-0419 
休:無休 
営:12~24時(ラストオーダー23時) 
料:チャージ1000円(女性は無料)
「ハチ公(わんこ)そば」、「ガングロイケ麺(やきそば)」などメニューも充実

スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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