風雲急を告げる大阪のガールズバー。斬新すぎるその変化とは?

「新しきは大阪で生まれる」。これは夜遊びの世界では定説だ。テレクラ、のぞき部屋、パンチラ喫茶など一世を風靡したもののほとんどが大阪発で、その後全国に伝播するのだ。今や全国区のガールズバーもしかり。東京の業者が頻繁に大阪に視察に出かけるのはそのためだ。

 だが、いま“夜遊びの祖”大阪で「異変」が起こっているという。

 それは“炭水化物系ガールズバー”の登場と増殖だ。「コメを食いながら酒が飲めるか!」というツッコミはさておき、これには深刻な背景がある……。

 今年2月、ミナミで18歳未満のガールズバーの店員が飲酒し、死亡するという事件が起きた。それを契機に府警はガールズバーの摘発を強化。風営法を厳密に運用した摘発劇は関係者や客に大きな波紋と衝撃を与えた。

既存のガールズバーが相次いで鞍替え!?

小鍋

 そんななか現れたのが「おにぎりバー」だ。風営法は無許可での接客行為を禁止しているが、「主食となる食事の提供は対象外」としており、それを“咀嚼”した形で、既存のガールズバーが相次いで鞍替えをしているという。

 にわかには信じられない事態。この目で確かめるべくミナミに飛び、聞き込み調査を開始した。しかし、「聞いたことがあるけど、もうないんやないかな」(無料案内所店員)。「最近、お上が厳しいからね」(客引き)となぜか口が重い。

 道で客を引いていたミニスカ姿のキャバ嬢には「お兄さんウチの店で飲んでくれたらそれ教えるわ~」と足元を見られる始末。やっとのことで聞き出し、そこへ行くとシャッターが閉ざされていた。

 落胆しつつ街をブラついていると、「鍋1人前+フリードリンク。2000円」という看板が。そばにいた店員と思しき男性に聞くと「女のコがいるダイニング」と言う。店に入れば、カウンター内には可愛い女のコが2人おり、鍋をつつく男性と談笑していた。

小鍋

鶏モモ肉、キャベツ、豆腐、もやしで水炊き。カウンター越しでの談笑でも20分以上であれば接客にあたる、と大阪府警が目安を設けたことからか、どの店でも女のコが頻繁に交代していた

 修学旅行でお目にかかる固形燃料で温めるタイプの小鍋がカウンターにはずらり。女のコの説明によると、水炊きと寄せ鍋が選べ、飲み放題付きだという。店内はまさにバーの作り。しかし、よく見ると所々におにぎりの写真が貼ってあった。それを指摘すると、

「あ、バレた。前はおにぎりバーだったんやけど、ワケあって鍋に替えたの。これから寒くなるし、ちょうどいいと思うんだけど」

 と鍋に火をつけながら、照れ笑いを浮かべる女のコ。鍋のほうが酒が飲めるから好都合だが……。

 熱々の鍋をつつきながら周辺事情を聞けば、おにぎりバーはすでに縮小傾向だが、多くのフォロワーを生んだ第1号店はいまだに営業を続けているという。

【後編】に続く⇒

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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