物悲しい秋……。酸いも甘いも知る超個性派ママと人生を語る夜

 年のせいか、寒暖の差が心身に堪える。夏場の暴飲の反動か、胃腸は不調。酒量は減り、安酒を呷っては舟を漕ぎ、はしご酒も今は昔。歌舞伎町の精力剤店のウインドーに大書きされた「男の更年期障害」という文字が目に染みる……。

 シケた顔で歌舞伎町をそぞろ歩くと不穏な看板が。古い雑居ビルに燦然と輝く「ポルノモンスター」の文字。取り憑かれたように地下へと続く薄暗い階段を下りる。半開きの扉を覗き込んだ刹那「いらっしゃ~い! こっちおいで~!」。ドスの利いた関西弁が響き渡った。

モンスターと一緒に飲もうや~

峰岸ふじこの店

37歳でデビューし、1年で60本以上に出演。「お店はまだ制作途中。TVモニターがついたら私のビデオの観賞会をしたいわ~(笑)」

 カウンターから食いつかんばかりに迎えてくれたのは「1万人を喰った女」「ナニワの性獣」などの異名を持つ、人気AV女優の峰岸ふじこママ(38歳)だ。

 金髪&ソバージュ、真っ赤なホットパンツ。純白の内装はママのいでたちを余計に引き立てる。

峰岸ふじこの店

店内のBGMはサンバ。今年の浅草サンバカーニバルに出場したのを契機にサンバダンスに没頭。本格的なレッスンを受けており、来年初めには本場ブラジルに渡り、カーニバル出演を目論んでいるとか

 小さなカウンターには出演作のDVDが山積み。『エロ年増』『維新~ナニワの巨尻いざ大阪の冬の陣』『煙が出るまで●●されて』など強烈なタイトルはママの芸風を偲ばせる。「1年で60本以上に出たけどまだまだや! AVでも天下獲るつもりでやってきた。この店を持ったのも地上波のテレビに出るための助走やねん!」

 地上波テレビ出演という野望を抱き上京。現在は風俗、AV、スナックと三足のわらじを履く。話術と笑いのセンスを磨くため吉本の養成所に通い、踊りを磨くためサンバのレッスンとストリップの舞台に立つという。バイタリティ溢れる話を聞くだけで、生気が蘇ってくるようだ……。

【後編】に続く⇒

峰岸ふじこの店【峰岸ふじこの店】
新宿区歌舞伎町1-4-12 ナカヨシビルB1
電:080-1451-6444
営:20時~ラスト
休:なし
料:チャージ1000円、ドリンク1000円~ ※5000円で鏡月飲み放題コースもあり
●新宿区役所隣りに突如現れた“魔窟”

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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