第十三夜 【前編】

ナイト社会学!

キャバクラ嬢になりたがる女性急増の理由とは?


【担当記者:テキサス】

 入店間もない新人キャストにもドリンクを注文し、場内指名をかける。キャバ嬢に優しい男、テキサスです。そうすることで、新人のうちからキャバ嬢のハートをワシ掴みにして口説き落とす……ってのがテキサスの常套テクだったわけだが、近頃新人キャバ嬢が増えていると感じるのは気のせいか? 私、テキサスの財布が泣いています。

 そんな折、書店で1冊の書名に目が留まる。

『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?』

 著者は『下流社会』で知られる消費社会研究家の三浦展氏で「15~22歳の約2割がキャバクラ嬢になりたい」との驚くべき調査結果が出たという。そこで、今回はちょっと趣向を変えて真面目に夜の社会学について学んでいきたい!


■急増するキャバ嬢が示す男たちへの幻

「なりたい職業」を調査したところ、キャバクラ嬢は59の選択肢の中で12位。”水商売”に抵抗感があった時代は、終焉を迎えたと言える。三浦氏は「このキャバクラ嬢になりたい若い女性が急増している原因のひとつに、メディアの影響がある」と語る。続けて話す。

「昨年、都内のキャバクラ店を取材したところ、面接に来た内の3割が夜の銀座を舞台としたテレビドラマ『女帝』の影響を受けていたと言っていました。私が中高生の頃なら、深夜番組にしか登場しなかった夜の住人たちが今では真っ昼間からゴールデンタイムのテレビ番組にまで普通に登場していますからねぇ」

 たしかに、言われてみればそうだ。元AV女優にオカマなど、かつては日陰の存在だった人たちがテレビに登場するこのご時世。キャバ嬢に眉を顰める若い女性は少ない。

 それどころか、ファッションや音楽でも時代をリードする存在だ。歌手の倖田來未がイベントで銀座の一日ママをやったり、この出版不況のなか、キャバ嬢の教科書とも言われるファッション誌『小悪魔ageha(アゲハ)』は部数を伸ばし続けていたりする。

 さらに、三浦氏の調査では「キャバ嬢になりたい女性は学歴が低く、家が貧しい傾向にある」が、キャバ嬢は日陰の存在ではないという意外な結果が出ている。テキサスが指名してきたキャバ嬢たちを見ても、街のスカウトではなく、ケータイの求人サイトなどで入店するコが増え、”気軽さ”が蔓延している。

「昔は何で働いているの? と言える雰囲気ではなかったけど、今はそんな後ろめたさがない。留学や資格取得のお金を得るために働くなど、昔と違い手段として働いている印象を受ける」(三浦氏)

 新宿・歌舞伎町――。テキサスが遊び馴れたこの街で働く『レビュー』のキャバ嬢たちに、そのキッカケを聞いてみた。



★勉強嫌い職業トップ10
1位:パチンコ屋の店員・店長 63.4%
2位:ネイルアーティスト 60.3%
3位:美容師 60.0%
4位:ペットトリマー 59.8%
5位:キャバクラ嬢・ホステス 58.0%
6位:飲食店の店員・店長 67.1%
7位:エステティシャン 57.0%
8位:ラーメン店の店員・店長 56.5%
9位:ブティックの店員・店長 56.4%
10位:保育士、福祉関係看護師 56.0%

なりたい職業別に「勉強嫌い」の割合をみると、
全体でも平均55.4%とキャバ嬢と大差ない。
それだけ普通のコがキャバ嬢になりたいと
思っている(三浦氏の著書より)



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【三浦 展氏】
’58年生まれ。マーケティング活動を行う傍ら、格差・家族・若者などを研究。
最新刊に『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?』(光文社新書)

テキサス 「女のコとの会話は最高の前戯」がモットー。趣味は年間50回ほど行くキャバクラとFX
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