第九十九夜【前編】

秋深し……。コアな空気漂う

中央線沿線でアートな夜を嗜む



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東京では自分が住む路線がその人のステイタスを語るひとつになっている。とくに地方出身者の俺にとっては、オレンジの車両の中央線はまさに憧れの路線だった。「ミュージシャン」「アーティスト」「文化人」「アングラ」……中央線と途中までほぼ平行に走りながらも、どことなくサイタマの匂いを運んでいる某線沿いに住んでいた田舎っぺは、都会らしい形容詞に身を熱くしていたものだった。

 30も半ばになると単に中央線には変わり者が多かっただけと気づくのだが、中野から高円寺、西荻窪にかけてはまさにカオス。今でもその雰囲気には気おされる。

 そんな中央線沿いに、山手線の内側では見られない風変わりなガールズバーがあるという。さっそく向かったのは阿佐ヶ谷。おなじみのO氏も「修業時代」にこの街に住み、多くの先人から薫陶を受けたと言っている。

「芸術の秋ですからね。アーティスティックな気分で遊べるお店をご用意しましたよ」
 いつになく瀟洒に語るO氏に連れられ入ったのは駅からすぐの「POP’N BODY」だ。

「いらっしゃいませ!!」

 店の扉を開けて、まず目に入ってきたのは声の主の女のコではなく大きな太股。アラレもなく開かれた女性の両脚のオブジェがカウンターに向かってせり出している。

 天井は鏡張り、派手なシャンデリア。周りを見ると赤いパンティのみを身につけた女性のマネキンがズラリと並んでいる。さながら現代アートの展覧会のような不思議な空間はとてもガールズバーとは思えない。カウンターの女のコも少し変わったコばかりなのかと身構えていると……。


ガールズバーとは思えぬ内装に……


「皆さん、まずアレに驚かれますね。働いている私も最初は恥ずかしかったんですけど(笑)」

 いたって普通に説明してくれたのはサキちゃん。なんでもアート好きなオーナーが自らデザインして作り上げた渾身のオブジェだという。

 アート鑑賞という大義のもと巨大な両の脚の下でお酒を頂く。が、中身がどうなっているのかが気になるのも男の性。カウンターから乗り出して股の中を覗くと……。なんと股の間に現れたのは俺の間抜け面。”大事な部分”は鏡になっていた。シュールな仕掛けに驚いていると、

「(鏡を指さして)じゃぁ、サキちゃんのココはどうなってるの?」

 違う意味でシュールな質問を浴びせまくっているO氏が。

 しかしお値段は見事に「中央線価格」。散々楽しんで1時間2000円とは感心だ。時間が来ても粘るO氏を引っ張り次へと向かう。




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太股オブジェの下で盛り上がる。「近所に住んでいる」というサキちゃん(右)と
せりなちゃんの癒しトークに「胎内回帰」の気分になる?



【POP’N BODY】

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●女のコは学生やOLが中心。近隣のコが多いともっぱらの評判

住:東京都杉並区阿佐谷南2-17-8ランドエイトビル4F
電:03-3311-2290
営:22時~翌5時
料:2000円~(焼酎飲み放題/60分・2人以上)延長1500円(30分)





協力/O氏(夜遊びガイド)
撮影/渡辺秀之

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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