第百四夜【後編】

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 席に案内してくれた女のコが「担当のCです、ヨロシクね!」と自己紹介しつつ卓上のナプキンに直筆で名前を書いている。明らかにサイズが小さすぎるタンクトップにホットパンツ。こぼれそうな谷間はスパムを釘付けにする。「注文をまとめるのは下っ端の役目だろう」という言葉をグッと呑み込んで「バドワイザー」を俺が人数分注文する。店内を見回すと、15人ほどの女のコが接客。目が合えばニッコリと微笑んでくれ、呼ばずとも気さくに話しかけてきてくれる。某店のキャバ嬢には彼女たちの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

 料理を注文。メニューを開くと名物である手羽先の唐揚げ「チキンウィング」、サワークリームががっつり載ったハッシュドポテトなど胃酸の分泌を刺激にする”茶色系”ばかり。お、お新香はないの? という俺の質問に、Cちゃんは「ピクルスを揚げた『フライドピクルス』がオススメです!」と元気良く答えてくれた。

 料理が到着。どれも大盛りで、まさに「アメリカンサイズ」。全員、手を油でベトベトにしながら手羽先にかじりつく。O氏はテカテカの手をひらひらさせて女のコに声をかけ続けている。ニタニタしながら揚げピクルスに舌鼓を打っていると、突然音楽がチェンジ。「Hey!Micky」でお馴染みのイントロが爆音で流れると、女のコが通路で一斉に踊り始めた! これが噂に聞きしダンスタイムか! 思わず立ち上がる俺。「一緒に踊れ!」。スパムにそう命じた刹那、「えぇ、ベタじゃないすか……」と半笑いでクアーズを傾けるスパム。そうこうしているうちに音楽は終了。「もっと踊りたかったのに」と近くの女のコに懇願すると、「またありますから!」とあっさりいなされてしまった俺だった……。

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積極的なコンタクトで記念撮影をゲット。団体撮影ではちゃっかりセンターに入るスパム(怒)

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ボリューム満点のアメリカンフード。(写真左下から時計回り)「フライド・ピクルス」(880円)、「チキンウィング」(1300円)、「ロッツ・ァ・トッツ」(880円)、「ビーフケサディア」(1280円)。巨大な「ウェスタンBBQバーガー」(1680円)を勝手に注文のスパム

撮影/テポドン 協力/O氏(夜遊びガイド)

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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