タイで“国民的人気を誇る日本人”前田真夢の軌跡――ロリータファッションを世界に
日本ではなく、海外で活躍する日本人がいる。栃木県で生まれ、現在はタイで国民的な人気を誇る前田真夢(まえだ・まむ)さんもその一人。
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タイのテレビ番組や映画、亀田製菓「Okome」などのCMに出演するほか、タイの女性ファッション誌「Ray Thailand」のモデルコンテストで準優勝したのがきっかけで、専属モデルとしても活動する。それだけでなく、姉でデザイナーの翼さんとともにバンコクでロリータ・ファッションの店「ChuChu(チュチュ)」を経営する美人姉妹だ。真夢さんはデザイン考案から販売まで行いながら、ブランドのモデルとしても活躍する。
「ChuChu」の店舗は、伊勢丹などの大型デパートや巨大な市場が集まるバンコク随一のショッピングエリアにある。その中でも衣料品店がぎっしりつまった、若いタイ人で賑わうメッカ「Platinum Fashion Mall」(プラトゥーナーム)に店をオープンさせた。「プラトゥーナーム」は安く大量に服が買えるという理由で、タイでは一番のお気に入りショッピングスポットだという。店の場所を決めるときも、家賃の高さに戸惑いながらも、たまたま空いている場所があったことから思い切って契約した。
しかし、若者ファッションの聖地だけあって家賃が高く、売上げの大半が家賃に消えてしまうこともあり、現在はネットショップを立ち上げて販売している。チュチュで固定客はしっかり掴んでいたようで、経営はすぐ順調に回り始め、ドイツやスウェーデンから大口の注文も入るようになったようだ。
きっかけは、真夢さんが幼い頃からお姫様のようなファッションやコスプレが好きだったこと。両親の仕事の関係で、中学生からタイに住んでいるが、バンコクのコスプレのイベントにも参加していたという。日本では「コミックマーケット」などの大型イベントが人気だが、それはタイも例外ではない。バンコクの「世界コスプレサミット予選会」では広場に多数のコスプレイヤーが集結したほか、今ではチェンマイなど各地でもイベントが開催されるほどの賑わいだ。主役はもちろん、日本のアニメキャラである。
こうしたタイ国内で開催されるイベントなどへの出店も行っている。真夢さんが先にバンコクに住んでいた頃、姉の翼さんはニューヨークで服飾を学んでおり現在はタイに。二人で何か仕事をしようと話し合い、当時まだタイになかったロリータ・ファッションを広めようと決断。こうして店をオープンさせた。
決め手になったのは、サイアムやセントラルワールドでのコスプレのイベントで、コスプレをするタイ人の衣装が中々手に入らないので、日本から通販で買い取っている状況を見てのこと。コスプレのみならず、日本で普通に売られているかわいい服もタイでは手に入らない状況にあった。日本から同じものを仕入れするだけではなく、タイでも涼しく着られるような、カジュアルなロリータファッションを提案。図面だけでなく、生地や装飾品まで自分たちで用意した結果、タイ独自のファッションが人気を呼び、国外からの注文もあるのだとか。
オリジナルのデザインは2人で考案。真夢さんがテイストを熟知しているので、翼さんにアドバイスし、それを形にしていく。「ロリータ」は日本式かわいいがつまった格好で、タイにはないデザイン。タイで一見ふりふりのデザインを見つけたとしても、襟の形、ウエストのしぼり具合、レースの量など総合的に何か物足りない。工場に受注する際には、あまりの複雑さに工場の人に「できない」と言われたことも。生地の色を勝手に変えられたり、ペラペラしたものができ上がってきたりと苦労は多いという。
観光客にもよく知られている場所だけに、客はタイ人のみならず欧米人やインド人と世界中の人が訪れる。ロリータ系ファッションは欧米ではすでに知られていて、特に、ヨーロッパの人が好んで買っていくことが多い一方で、通りすがりのタイ人が、ちょっと試しにと軽い気持ちで試着したところ、今まで味わったことのないお姫様気分になり、そのまま購入ということも。
コスプレから日本のカワイイファッションへ。日本語の「かわいい」は、タイではすっかりタイ語の一部となっており、タイにかぎらず、世界でもこの流れはひとつの潮流になっている。いま、世界でもっとも開催されている日本文化が主役のイベントは、間違いなくコスプレだろう。コスプレという日本の文化は、日本人の想像以上に世界を惹きつけてやまないのだ。
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<取材・文/北村篤裕 撮影/難波雄史>







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