年収180万円ダウン! 東電社員の嘆き
週刊SPA!5/22発売号では「給与明細の天国と地獄」と題した特集を組んでいる。注目の好景気企業から急落企業までアップ&ダウンを一挙公開している。その泣き笑いをチェックしてほしい。 <取材・文/日刊SPA!取材班 イラスト/サダ>
「世間的に『東電の連中の減給は当然』という空気なのはもちろんだとは思いますが、1年間でいきなり年収が2割減となると、生活設計を根本から組み直さなければならず、本当に大変です」と嘆くのは、東京電力で法人対応を担当している原田(仮名・37歳)さん。約180万円の年収減を見越して、マンションのローン組み直し、妻のパート勤務開始、子供の習い事の整理などを余儀なくされた。
「上の子はもう中学生になりますから、新聞やテレビの報道を見て大体の状況をわかっているんでしょうね。習い事を辞めてもらうときも文句ひとつ言わないのがまた切なくて……」
【年収ダウン!】
2011年度年収 900万円(賞与90万円)
↓
2012年度年収(見込み) 720万円(賞与0万円)
【2012年4月の給与】
基本給:33万円
時間外手当:19万円
各種手当:12万円
計:64万円
震災前は各企業へのソリューション営業を担当していた原田さんだが、現在は顧客からのクレーム対応に追われる日々。
「この状況で“ソリューション”なんて口にしようもんなら顧客の逆鱗に触れますから。クレーム対応でストレスも溜まるし、先日はついに夏のボーナスゼロが決定。基本給も現状の1割カットから、2割カットに。自業自得と言われても仕方ないのは重々わかっているんですが……」と肩を落とす。
管理職に至っては、残業代も一切出ず、基本給の下げ幅もさらに大きい3割に。
「この状況を受けて社内の雰囲気もギスギスしていますね。それでも『2~3年我慢すれば給料も元に戻るはず……』と信じている社員が多いのは、さすがのぬるま湯体質といったところでしょうか(苦笑)」
だが、下がったとはいえ依然として同年代の平均給与よりは大分高い。不満を持つのは贅沢では?
「でもやっぱり、頑張って勉強して、いい大学を出て東電に入って、それでこの給料かよ!という気持ちにどうしてもなってしまいます」
嵐が過ぎるのをじっと待つ“ぬるま湯社員”を横目に、現在は転職も視野に入れているという。
「40歳までに決めないと転職の芽も断たれてしまう。2~3年待っている余裕なんてありません」
その冷静で速やかな判断力、今までの業務に生かしてくれたら東電の評価もここまで地に落ちることはなかった気がするが……。
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