漫画家ろくでなし子氏が語る 「ま〇こを下卑たもの扱いするな!」
デコまん ~アソコ整形漫画家が奇妙なアートを作った理由~』(ぶんか社)。2012年8月27日~9月15日まで、ヴァニラマニアにて、個展『OH!MANKO! シアトルから帰ってきたデコまん展 ~海を渡ったわたしのま○こ~』を、また、8月29日に個展スペシャルイベントとして『ま○こBar ~プロジェクトM 挑戦者達~』開催。詳細はHPまで
ま〇こをデコレーションする女性がいる。漫画家のろくでなし子氏である。彼女は、歯科用印象材でま〇この型をとり、それを絵の具やラインストーンで飾り付け、アート作品“デコまん”にしてしまった。いまだかつて未開拓だったま〇こ街道をひた走るろくでなし子氏に話を聞いた。
ろくでなし子:そもそもの発端は、初めてセックスすることになりそうなときに、家で自分のまんこを観察していたら、毛がボーボーなのが気になったんです。それで、まずは自分で剃って、その後エステで脱毛して……。そうして陰毛がキレイになると、今度はまんこの形状そのものが気になってきたんです。
――形状とは?
ろくでなし子:まんこをよく見ると、ビラビラしたものがついてて、ビックリしたんです。こんな醜いビラビラがついてるなんて、私病気なんじゃ!? 自分だけ変なんじゃ?って。それで、こんなビラビラを男性に見せるわけにはいかない! とビラビラを切除する手術を受けに行きました
――ははぁ、ビラビラ……
ろくでなし子:そう、ビラビラがあるんですよ? 女性ってたいていの人が自分のまんこをちゃんと見たことないんですよね。それっておかしくないですか? 男性は性器が外に出てる分、存在を気にせざるを得ないですし、“息子”と呼んでかわいがっているけど、女性だって自分の性器をもっとかわいがるべきです。それで、私は晴れてビラビラのないまんこを手に入れ、せっかくだから型取りしてデコレーションして作品にしていたら、展示やワークショップを開くまでに発展していきました。ワークショップでは、女性の参加者たちに、実際に自分のまんこを型取りする方法を体験してもらいながらレクチャーします。
――女性が大勢で自らのま○こ型をデコレーションする光景は圧巻でしょうね……
ろくでなし子:こうしてデコまん活動をしていると、ビラビラがあるほうが、ダイナミックなデコまんが出来上がるんですよね。私のは起伏がなくてのっぺりとしているので(笑)。なので、あれだけ醜いものだと思っていたビラビラが、時折羨ましくなることもあります。ただ、今はこのまんこアートを経て、ビラビラがあろうが醜かろうが、どういう形でもまんこはまんこなんだな、と思うようになってきました。
――つまり、解脱したということですか?(笑)
ろくでなし子:はい、解脱に向かいつつあります(笑)。ただ、完全に解脱しきったとはまだまだ言えません。というのも、この活動をしていると、まんこというだけで下卑た物扱いされがちなのが納得がいかないんです。今後は、デコまん活動を通して、この世の中の“まんこの権利”=“まん権”を与えていきたいです。例えば、ちんこは伏字にならないこともあるのに、まんこはほぼ必ず伏字にされる。著者紹介などでも“アソコ整形漫画家”と書かれる。本当は“まんこ整形漫画家”と呼ばれたいのに。まんこだって、耳や手と変わらない体の一部ですよ。スローガンは、『まんこにもっとまん権を!』です!
およそ1時間に渡り、一生分くらいの「ま〇こ」ワードを女2人で連呼したインタビューを通じて感じたのは、彼女の持つ「ま〇こ」への並々ならぬ情熱だ。それは、同じ女性である筆者が考えたこともなかったほどであった。
ちなみに、もともと“醜いまんこを男性に見せたくない!”というところから始まったろくでなし子氏のま〇こヒストリーだが、当の男性陣からは不評とのこと。「まあ、冷静に考えたら、まんこの整形をしている時点でモテから遠ざかってますよね(笑)」と笑う。さすが“解脱”しつつあるだけのことはあるあっぱれな開き直りぶりである。 <取材・文/朝井麻由美>
注※本文中、ろくでなし子氏の強い希望で氏の発言箇所についてはま○この伏字はなくしております
【ろくでなし子】
漫画家。2012年6月、シアトルのエロティックアートフェスティバルに「お祭りやぐらまん」が出品作品として選出される。近著に『
『デコまん アソコ整形漫画家が奇妙なアートを作った理由』 デコまん作りに目覚めるまでをつづったコミックエッセイ |
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