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中国・国産大型輸送機の脅威 戦略爆撃機に転用し日本本土爆撃?

 中国は1月28日、国産の軍用大型輸送機「運20」の試験飛行を行ったと発表した。尖閣諸島や南シナ海での紛争が現実味を帯びてくるなか、同機の出現により中国軍をより迅速に遠くまで展開することが可能で、中国メディア各紙は「大きな一歩だ」「進攻型の空軍になった」などと報じている。

これが中国初の国産大型輸送機「運20」だ!(写真は「新華網」より)

 この輸送機の最大積載量は66トン(「China Daily」より)で、世界最大級だ。ちなみにロシア軍のイリューシン76の最大積載量は52トン、米軍のC17の最大積載量は77.5トン。航続距離に関しても、55トンの貨物を積載しても、中国西部からエジプトまでの距離にあたる4400kmの航続距離があるという(C17は72トン積載で航続距離は4630km)。「新京報」によれば、この運20は将来的に空中給油ができるように改造される計画もあり、哨戒機、戦略爆撃機に応用可能だという。ともかく、日本にとって空母やステルス戦闘機同様、新たな脅威になることは間違いない。 ⇒【図】「運20」と各国の輸送機との比較
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=377916

各国の輸送機と比較した図。ロシアのイリューシン76に匹敵するという(「環球網」より)

 一方、中国ニュースメディア「易網軍事観察室」は、尖閣諸島をめぐる軍事対立を意識してか、「中国運20 対 日本XC-2」という興味深い比較記事を掲載している。XC-2は自衛隊が2010年に初飛行を行った最新の国産大型輸送機だ。すでに6機が防衛省に納入され、今後20~40機が製造される予定だ。  同記事によれば「最大積載量はわずか37トンで、45トンの重さの自衛隊の最新戦車『10式戦車』は搭載できない」と欠点をあげる一方、「航空自衛隊の早期警戒管制機E-767や空中給油機KC-767と同じ、高性能な米GE社製のCF6エンジンを搭載している。その機動力は非常に優秀で、侮れない」としている。そして将来、改良されて10式戦車やAH-64アパッチ(攻撃ヘリ)、ピラーニャ装甲兵員輸送車などの搭載ができれば、沖縄からマラッカ海峡地域まで兵力を輸送することが可能となり、東南アジア全体に自衛隊の勢力が及ぶことになるので「我が国にとって警戒が必要」と結んでいる。  初の国産輸送機の試験飛行に湧く中国だが、軍事拡張はまだまだ続きそうだ。
運20

日本を意識した比較記事を掲載(「易網」より)

<文/日刊SPA!取材班>
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