ディーゼル対ショーンは衝撃のベビーVSベビー――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第187回(1995年編)
序盤戦はショーンの大技レパートリーのオンパレードとなった。ロープサイドでのランニング・クローズラインでディーゼルをトップロープごしに場外に転落させると、ショーンはコーナーからの飛距離4メートルのフライング・クロスボディー(プランチャ)を場外のディーゼルにヒットさせた。
試合開始から16分経過の時点でショーンの十八番スウィート・チン・ミュージック(スーパーキック)がディーゼルのアゴをとらえたが、レフェリーが場外のセッドに気をとられていたためフォール・カウントを入れるタイミングが遅くなり、ディーゼルはこれをカウント2でクリアした。ほとんどの観客はこのワンシーンを“まぼろしのフォール”として理解した。
フィニッシュ・シーンは、ディーゼルがスネーク・アイ(ショルダーバスターの体勢で肩にかついだ相手を顔面からターンバックル上に落とす技)、ビッグブーツ、ジャックナイフ(投げっぱなしパワーボム)の必殺フルコースでショーンを完全フォール。ショーンの王座奪取シーンを予想していた観客の期待を裏切る形でディーゼルが王座防衛に成功した。
試合終了後、ディーゼルはゲスト・セレブリティーをもういちどリングに上げてカーテルコールを演出した。前年11月のWWE世界王座獲得あたりから伸ばしはじめていたストレートの髪は、ちょうどいい長さのワンレングスになっていた。勝者ディーゼルも敗者ショーンもベビーフェースとしてリングを降りた。実況ブースでプレー・バイ・プレーをつとめていたビンスは、マイクに向かって「新世代の選択!The Choice of New Generation!」を連呼しつづけた。(つづく)
https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ