“ロイヤルランブル”HBKが王座奪回――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第239回(1997年編)
テックス・メックスの街、サンアントニオでのスーパーイベントとあってダーク・マッチにはメキシコAAAから直輸入のルチャリブレが3試合ラインナップされ、第4試合にはカネック、アグアーヨらメキシコの大御所が登場。“ロイヤルランブル”には“千の顔を持つ男”“仮面貴族”ミル・マスカラスがゲスト出場した。
セッド対ショーンのタイトルマッチは、いわゆる古典的なヒールとベビーフェースの勧善懲悪ドラマだった。セッドはショーンをトップロープごしに場外に落としたあと、お得意のパワーボムでショーンをスタジアムのフロアにたたきつけ、さらにまな弟子ショーンのセコンドについていた“テキサスの丹下段平”ホゼ・ロサリオにまでちょっかいを出した。
怒ったショーンはTVカメラをリング内に持ち込み、これを凶器がわりにセッドの後頭部を一撃。この反則プレーがフィニッシュ・シーンにつながり、ショーンは十八番スウィート・チン・ミュージック一発でセッドをフォール。不確実な時代が生んだ不確実なチャンピオン、セッドの王座はわずか2カ月の短命政権に終わった。
WWE世界王座をめぐる闘いはショーン、ブレット・ハート、アンダーテイカー、セッド、ベイダー、そして“ストーンコールド”スティーブ・オースチンの6選手の横一戦状態。この日、“ロイヤルランブル”は新しいキーパーソン、ストーンコールド――ショーンと同じくテキサス出身――のワンマンショーになった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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