上杉謙信の死は「トイレ」が原因だった!? 高血圧で冬場のトイレは危険【歴女内科医・まり先生の歴史診察室】
人は、寒くなると交感神経が緊張するため、健康な状態でも血圧が少し高くなります。そのため暖かい室内から寒い廊下やトイレに行くと血管が収縮し、急激な血圧上昇を起こす場合があります。 特に、トイレでは用をたす時に力みますよね? この時、脳の血管が圧力に負けて出血する『脳出血』を起こす場合があるのです。 実際、統計的に脳出血は夏場に少なく冬場多いというデータもありまして。越後のような雪国でしたら、その傾向はなおさら顕著でしょう。 なにより高血圧が怖いのは、患者に警告を促すような症状に乏しく、気がついた時には血管を蝕んでいるところです。このため『サイレントキラー(静かな殺し屋)』と呼ばれており、謙信は40歳のときに軽い脳出血を起こし左足に後遺症が残っていたそうですが、その原因が高血圧と見抜き、対策するまでには至らなかったでしょう。 つまり謙信自身も自らが急死するとは思っていなかったハズで、結果、跡目相続に大きな問題を残してしまったのだと思われます。死期を悟って遺言を残そうにも、サイレントキラーな病気が相手では中々うまくいかないのです。夏場に少なく、冬多い脳出血
『戦国診察室 お館様も忍びの衆も歴女医が診てあげる♪』 現代医学の観点から、戦国時代の武将の生活習慣や医療環境などを見つめなおしたショートエッセイ集 |
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