更新日:2022年08月14日 11:31
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「沖縄の米軍基地を本土へ運動」を支持する人たちの主張

安保反対を叫ぶ市民

安保反対を叫ぶ市民は多い。だが、沖縄の基地固定の現状を変えるには、反対行動に加えて、違う方向性も求められている

 高橋教授はこう語る。 「安保は何十年たっても維持されているし、支持率は減るどころか9割近くに達しています。それなのに本土の負担率が圧倒的に低いのはおかしい。’50年代に本土の海兵隊が沖縄に移設されるなど、沖縄に負担を押しつけてきました。安保を維持するなら本土が引き取るべきです。皮肉にも、『基地はどこにもいらない』との反基地スローガンが、沖縄の県外移設を望む声の壁になってきました。  いざとなれば、私の住む地域に米軍基地が来ることも認めなければならない。その引き取る過程で、私たちが沖縄への加害者であることに気づいてほしい。議論は起こるでしょう。その議論を通じて、私たちは“加害者”であることをやめ、米軍に守ってもらうという安保体制を見直すこともできる。引き取り運動が、日本の安全保障体制を考え直す出発点になればと望んでいます」 【高橋哲哉氏】 ’56年、福島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『記憶のエチカ』『戦後責任論』『靖国問題』『犠牲のシステム福島・沖縄』『沖縄の米軍基地「県外移設」を考える』など 取材・文・撮影/樫田秀樹 写真/時事通信社 ― 「米軍基地を本土へ」運動を追う ―
フリージャーナリスト。社会問題や環境問題、リニア中央新幹線、入管問題などを精力的に取材している。『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)で2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。Twitter:@kashidahideki
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沖縄の米軍基地

「日本よ、在沖米軍基地を引き取れ!」と訴える沖縄の声にアクチュアルに応答した、画期的な論考


記憶のエチカ

歴史修正主義や戦後責任、歴史認識を考えるときの必読書

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