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「医療の現場ではトランスジェンダーの存在が認識されていない」という現実

 人口の約6~8%を占め、市場規模6兆円とも言われるLGBT。東京五輪に向けて各企業、自治体でも彼らに対する意識が変わってきた。だが、まだまだ浸透はしていないようで……

トランスジェンダーを悩ます医療現場


病院の窓口 トランスジェンダーの人々から特に大きな不満の声が聞かれたのが、医療を受ける際の性自認問題だ。

「どうしても身体は男性だということをカミングアウトしなければならず、病院にはあまり行きたくない」(トランスジェンダーの女性)、「診察券の性別欄はほとんどの病院で男性か女性かの2択。トランスジェンダーの患者への配慮がなく、“性自認の性別を記載したい”という要望も。医療的に重要なのは、あくまでも身体の性別なのでどうすればいいのか……」(都内の病院に勤める医師)と、患者側も医療者側もフラストレーションや戸惑いを募らせる。

 性的マイノリティ患者と医療・看護の関わりを円滑にするため医療機関へ向けたLGBT研修を行う団体「にじいろナースネット」の代表であり、自身も性自認が男性のトランスジェンダーである田村凌氏に実情を聞いた。

「トランスジェンダーに関する取り組みをしている医療機関は、まだ数えるほどしかありません。私も医療機関へかかったとき、トランスジェンダーであるために“保険証の名前と外見が一致しない状況”になり、現場を混乱させてしまいました。病院の窓口などで呼ばれる名前は保険証の氏名、つまり、戸籍の氏名になってしまうため、そのことにストレスを感じるというトランスジェンダーの人々の意見がよく聞こえてきます」

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トランスジェンダーの認識がなかったり、信頼関係の問題も

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