更新日:2022年08月21日 12:22
スポーツ

ブレットが目撃したホーガンとフレアーが“共存”するリング――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第278回(1998年編)

 フレアーが“13タイムス・ワールド・チャンピオン(世界王座通算13回獲得)”で、ブレットは“5タイムス・ワールド・チャンピオン(世界王座通算5回獲得)”。キメのフレーズは「ハートビートが聴こえてくるようなサムバディー」である。  アメリカの2大メジャー団体、WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)とWCW(ワールド・チャンピオンシップ・レスリング)はメディア戦争をくり広げていたつもりだったのかもしれないけれど、毎週月曜の夜、自宅でテレビのまえに座っている一般視聴者層にはこれがテレビ局とテレビ局、プロレス団体とプロレス団体がおたがいの存亡をかけてぶつかり合っているシリアスな闘いなのだという感覚はあまりなかった。  “ナイトロ”をオンエアしているのがTNT(ターナー・ネットワーク・テレビジョン=ケーブル局)で、“ロウ”が観たかったらチャンネルをUSAネットワーク(同)に合わせればいい。どっちがWWEでどっちがWCWなのかは――プロレスファンにとってはそれがいちばん重要なテーマではあったが――一般視聴者層にとってはじつはあまり大きな問題ではなかった。  大衆はその瞬間、その瞬間の判断で情報をインプットしたりカットアウトしたりする。同じ曜日の同じ時間帯に、別べつのチャンネルで同じジャンルのスポーツの全米生中継番組が同時に放映されていても、それ自体はまったく不思議なことではない。NFLでもMLBでも、NBAでもNHLでもそれはあたりまえのことだ。
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ブレットはブレット・ハートのままWCWにやって来た
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