爆走するストーンコールド―追走するロック――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第276回(1998年編)
“プロレス言論人”ブレット・ハートが去ったあと、“悪ガキ”ショーン・マイルズのおちゃらけ路線はますますエスカレートしていった。
その団体の基本モード、あるいは方向性というものはそのときのチャンピオンのキャラクターによって決定づけられてしまうものなのだろう。ショーンがWWE世界ヘビー級王座をキープしているあいだは“ロウ・イズ・ウォー”の番組カラーも必然的にマイケルズとその仲間たちを主人公とした連続ドラマとしての色合いが強くなった。
1998年1月の時点でのWWEのトップグループはショーン、“ストーンコールド”スティーブ・オースチン、ジ・アンダーテイカー、ケン・シャムロックの4人。そのすぐうしろににインターコンチネンタル王者ロッキー・メイビア、ヨーロピアン王者ハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)、WWE世界タッグ王者ジェシー・ジェームス&ビリー・ガンのニューエイジ・アウトローズ、ケイン、ベイダー、ミック・フォーリーらがつづいていた。
ライバル団体WCWにトップクラスの選手たちをいくら引き抜かれても、すぐにまたそのポジションがきれいに埋まってしまうのがメジャーWWEの底力だった。
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