ストーンコールドとマイク・タイソンの歴史的乱闘――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第279回(1998年編)
このニュースがアメリカにおけるこれまでのプロレス関連の報道と決定的に異なっていたのは、AP通信社をはじめとする巨大メディアが“タイソンとプロレスラーの乱闘”をいわゆるWWEプロデュースのドラマではなくて“想定外のハプニング”として報じていた点だ。タイソン、ストーンコールド、そしてビンスの3人がつかみ合いになったシーンはそれくらいリアルだった。
こんどの“タイソン物語”はビンス・マクマホン&ドン・キング共同製作によるファンタジー巨編。ザ・バッデスト・マン・オン・ザ・プラネットは、だれもが知っているアメリカでいちばんの“悪童”。プロボクシングのライセンスをはく奪されたタイソンがプロレスのリングに活動の場を求めたとしても、それ自体は驚きではなく、ごく自然な流れだった。“問題児”タイソンは、出逢うべくしてビンスと出逢った。
“レッスルマニア14”の主人公は、ボクサー・トランクスをプロレスのタイツに履き替える元世界統一ヘビー級王者タイソン。プロレス体験のお相手は、タフエスト・サナバビッチのストーンコールドがいちばんいいに決まってる。
タイソンの向こう側ではドン・キングが仁王立ちしている。タイソンがストーンコールドの耳を噛みちぎっても、ビンスはちっとも怒らない。
アメリカ合衆国を代表するナチュラル・ヒール、タイソンにケンカをふっかけたことでストーンコールドは一夜にして“時の人”となってしまったのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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