生活保護受給者の社会復帰を妨げている…ケースワーカーのパワハラがひどい
“小田原ジャンパー事件”を機にあらためて注目される生活保護。不正受給対策ばかりが叫ばれるなか、実際の受給者たちは何を思い、どのような生活を送っているのか?
生活に困窮しており、たとえ仕事をしていても収入が少なければ、生活を送る最低ラインへの差額は支給される生活保護。しかし、条件を満たしていても、心ない言葉に晒されるケースは少なくない。
知的障害のある20代の息子と2人暮らしの大森啓子さん(仮名・54歳)は、重度の摂食障害が続き、20年以上にわたって生活保護を受けてきた。
「ここ数年は少し症状も和らいで、昨年からは隔週でポスティングの仕事も始めたんです。本当は人と交流する仕事をしたいのですが、体力が全然ないので、2~3時間おきに休憩しないと苦しい。その条件で探すと簡単には見つかりません。ポスティングで稼ぐのは月に1万円程度です」
症状が和らぎ、仕事にも出られるようになった背景には、20歳まで施設で過ごしていた息子が家に戻ってきたこと、ペットを飼い始めたことも関係しているそうだ。
「ペットの世話をするのはやっぱり楽しいですし、動いているときは嫌なことを忘れて、“普通の人間”になれた気がします。息子とブーブー言い合える関係ができたことも幸せですね。息子も最近はスポーツセンターにだけは行けるようになりました。ただ、生活保護を受けていることは絶対に言えない。『ここに体を鍛えにくるヒマがあったら働けよ』みたいに思われますから。世間さまはそんなに甘くないんです」
少しずつ社会復帰を果たすもケースワーカーがパワハラを

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