ヘリテージ財団にいた横江公美が語る「日本人が今のアメリカを見誤る理由」
「日本では、トランプの勝利で共和党の大統領が誕生したと思っているけれど、大きな考え違いです」
内外のメディアが“想定外”の米大統領選の結果に慌てふためくなか、早くも春先にはアメリカの激動を読み取っていた日本人がいる。
米5大シンクタンクのなかで圧倒的な影響力を持ち、事実上、共和党政権を成り立たせてきたヘリテージ財団で、米英人以外で初めての上級研究員を務めた政治アナリスト・横江公美はこう話した。アメリカ人同様の待遇を与えられた彼女は、アメリカ政治の重要な情報にアクセスできたという。
「ヘリテージでは、アメリカの変化を政治の奥の院で体感できました。帰国後、それを本に書こうと多くの編集者と会うと、『面白い』と口では言うものの、どこか居心地が悪そうで……。ある編集者に『横江さんは、オバマが強い大統領というのが前提。でも日本は、オバマが弱いのが前提です』と言われて、アメリカに対する考え方の隔たりが、違和感の原因とわかった」
日本では、「オバマは弱い大統領」「アメリカは弱い国になった」というのが共通理解だが、ワシントンで知見を深めた横江の見解は正反対のものだ。
彼女が主張するように、国民皆保険や同性婚合法化など、歴代のどの大統領も成し遂げられなかったことを実現したオバマは、果たして「弱い大統領」なのか。「アメリカは弱い国になった」のではなく、“世界の警察”の役割を担わなくなったアメリカが、日本にとって都合が悪いだけではないのか。
「アメリカでは、ミレニアル世代によって、約80年に1度(短い周期では40年)の大きな変化が起きており、オバマ大統領の誕生もこの変化の最初期の出来事。2008年から、それまでの物差しがまったく通用しない時代がすでに始まっている。ヘリテージでは、その変化を確認できました」
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