ヘリテージ財団にいた横江公美が語る「日本人が今のアメリカを見誤る理由」
アメリカの大変化を見落とした日本のメディアは、米大統領選の帰趨とトランプ現象の評価を完全に見誤った。ただ、同じように見誤ったアメリカのメディアが、選挙翌日、一斉に過ちを反省し、検証に乗り出したのに対して、日本のメディアは自らの過ちを棚に上げ、『なぜ、アメリカのメディアは間違えたのか』などと顧みることもない……。
「どちらの候補が勝つか? という単純な問いではなく、どうしてそうなるのか? 背景が大事。オバマが弱いという前提の日本では、アメリカ発のニュースをその物差しで理解する。本にも書きましたが、オバマ大統領の評価に私がこだわるのは、『オバマのアメリカ』が大統選挙の鍵だったから。オバマの後継者を自認するヒラリーは、時勢はあるが時世はつかみ損ねていた。一方、トランプには時勢はないが、時世は読んでいた。これこそが、一般投票ではヒラリーが勝利しながら、選挙にはトランプが勝利した背景だと思う」
新大統領の評価も誤っているようだ。メディアを含めた日本人の多くは、トランプを共和党の大統領と認識しているようだ。
「今の共和党は昔の共和党ではない。トランプ大統領の誕生で、昔の共和党が帰ってくることもない。では、日本の識者の多くがなぜヒラリーの勝利を予想したのか。日本人が一番好きなのは、レーガンのアメリカ。ところが、すでに変質した現在の共和党には、かつての共和党色が強いレーガン的な候補は見当たらず、もっとも共和党的なのは民主党のヒラリーだった。ヒラリーが勝つという予想は、『ヒラリーが大統領なら、アメリカは従来どおり世界の警察でいてくれる』という願望の表れにほかならない。自由貿易にしても、本来、共和党の党是なのに、なぜTPPに反対していたかといえば、強すぎるオバマの政策だから議会で反対に回っていただけで、ヒラリー政権になればTPPは進むはずでした。日米同盟を堅持し、自由貿易を推進する……共和党的なヒラリーは、日本にとってはアメリカへの郷愁を体現していた。これが、日本のヒラリー人気の正体だと思います」
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