コスプレ衣装で運動会!? 久喜市の“萌とスポーツ”を融合した町おこし「萌☆輪ぴっく」リポート
その後、青とオレンジの2組に分かれ本格的な競技が始まる。アニメの名言が書かれたカードを掲げハードルを飛び越える種目や、鉄棒にぶらさがりながらしりとりを行い先に落ちた方が負けという他では見られないシュールな競技が実施されイベントは後半戦へと突入。
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このイベントの名物競技と呼ばれる「ドン引き綱引き」は、綱の上に後ろ向きでまたがり、綱を引くというこれまた斬新な競技である。その異様な光景を目の当たりにした人がドン引きするため、この名が付けられたと主催者は話す。競技開始の合図が鳴り響き、綱を股に挟みながら一生懸命綱を引く参加者たち。
綱がアソコに食い込み、悶絶する者も続出! 股間を押さえ地面を転げ回る参加者の姿を見て一同大爆笑。
最終競技「障害物リレー」は、各チーム10人が様々な障害を乗り越え、バトンを繋いでいき、最初にゴールしたチームが勝ちという単純なルール。しかし、この競技も曲者であり、バトンはなんと“リカちゃん人形”。第1走者にかせられた課題はまず、バトンである人形に洋服を着せること。アンカーの出走が近づくにつれ、課題はけん玉やフラフープ20回など難易度が増していく。
そして、極めつけは最後の課題の“はじめてのお使い”。指定された食べ物を屋台で購入し、それを完食しなくてはならないという少々ハードな内容だ。アンカーだけでは食べきれないというハプニングが起こり、チーム全員で協力しながら完食することに。その光景は微笑ましく笑いを生むとともに、「みんなでイベントを作っている」という仲間意識が会場に生まれたのであった。
こうして全ての競技が終了し、青チームの優勝という結果に。好戦績を収めた参加者には、ガンダムの百式プラモや、5千円分のJCB商品券などが贈呈され、イベントは幕を閉じた。
だが、そもそもなぜ、こうした“萌とスポーツを融合”したイベントを開催するようになったのか。主催者はこう語る。
「久喜市は、鷲宮神社に訪れる『らき☆すた』ファンのみならず、他作品のファンも受け入れる地域を目指しています。そこで、『らき☆すた』という作品にこだわらず、“萌”というジャンルを総合的に見て、何かみんなで楽しめるイベントを作りたいと考えた末、“萌とスポーツの融合”という構想が生まれました。オタク=運動が苦手というイメージはありますが、あえて、その部分に着目し、「萌☆輪ぴっく」を開催した結果、全国から年齢や性別の枠を超えて様々な人が集まり、2009年から始まったこのイベントも今年で9回目を迎えることができました」
「萌☆輪ぴっく」は、コスプレイヤー、アニメファン、そして地域の人々が協力し合い成り立っていることから、まさに「みんなで作るイベント」といえよう。そんな町おこしの形もあるのだと実感させられた。
もしも興味を抱いたらぜひ来年は参加してみてほしい。その際は、「ドン引き綱引き」に備え、今から股間を鍛えておくことを忘れずに!
<取材・文/水野高輝、撮影/林紘輝>
主催者が語るイベントへの想いとは
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