更新日:2022年08月25日 09:23
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篠山紀信に女装グラビアを撮ってもらった小説家の肖像―仙田学の『女のコより僕のほうが可愛いもんっ!!』

第一回 女装小説家 仙田学の『女のコより僕のほうが可愛いもんっ!!』  あなたの女装姿でグラビアページを作りたい。撮影は篠山紀信氏。そんなオファーを受けた小説家は、世界にも類例がないだろう。ある意味ノーベル文学賞を受賞するより狭き門だ。  編集部から電話がかかってきたのは、2013年の夏の夜のこと。文芸誌『早稲田文学』に掲載される予定の、新作小説の校了日の前日だった。メールや電話で話せる内容でもないから会って打ち合わせをしたいという。嫌な予感しかしなかった。原稿ですが、ボツにさせていただきます。某団体から抗議を受ける可能性があるので、掲載は見合わせます。君は才能がないから、書くのを辞めたほうがいいね。不吉な言葉ばかりが脳裏をよぎった。  2002年に第19回早稲田文学新人賞を受賞して、私は小説家としてデビューした。日本最古の文芸誌である『早稲田文学』からは、川上未映子さんや黒田夏子さんといった芥川賞受賞作家も輩出されている。黒田夏子さんは第24回の受賞者であり、私の後輩だ。などと威張れる権利はまったくない。デビューして15年ほど、文芸誌を中心に細々と小説やエッセイを発表し続けてきたものの鳴かず飛ばずで、とくにその頃は3年以上にわたって書く小説書く小説ボツになり続け、私は戦意を喪失していた。 「純文学を書く才能が自分にはないんだろう。でも小説は書きたいしな。そうだ! ラノベを書こう」。安直かつ切実な動機から書いたラノベが、2013年に初めて刊行した著作となった。古巣の『早稲田文学』から小説の依頼をいただいたのは、その直後。4年ぶりに文芸誌に小説を発表できる! このチャンスを逃がすわけにはいかなかった。
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4年ぶりの文芸誌のオファーの中身とは?
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