「JKビジネス規制」で稼ぐ手段を失った女子高生の今【追跡レポート】
一方、JKビジネスへの風当たりが強くなったことは由真やJKビジネス店で働く女子高生たちも肌で感じていたようで、都条例の施行前までに、ほとんどの女子高生がX店を去った。X店の関係者も次のように説明する。
「摘発が相次ぎ、女のコたちが働きたくないと言い出すようになった。以前は紹介やHPの求人で、毎日数人の面接希望者がいたが、今年に入ってから一週間に1人とか2人。シフトに入ってもバックレる女のコが増え、当然お客さんも減りました。ですから、今年の春に店を閉めたのです」
X店の閉店と同時に「JKビジネス」を辞めざるを得なくなり、数十万の月収は一気にゼロになった由真だが……。
「今やってるのは“撮影会”のモデル。ネットで募集すると、カメラマニアとか変態のおっさんが客としてくる。オプションで2人きりの撮影とか、ハグとかキスとかやってカネを稼ぐ。店でやってたときよりキモい奴が多いけど、すげーカネくれる奴とかいるし、前より割はいいかなって。店で知り合ったコもウチの紹介で来てる。JKビジネス規制? ウチらもカネ欲しいし、変態のキモいおっさんもいなくならないでしょ? なくなるわけがなくね?」
由真が参加する撮影会の他にも、インターネットのチャットや出会い系アプリを利用した、王道的な売春行為に手を染める「JKビジネス出身者」も少なくない。前述のJKビジネス店関係者も同様に、JKビジネスの撲滅は難しいと指摘する。
「これからちょうど夏休み。規制によって買春需要は高まり、開放的になった女のコたちはカネを欲しがる。JKビジネス業者が、ここに目をつけないわけがない。撮影会は“男性の接客”ではないところがポイント。JKブランドを利用しカネを稼ぐ方法は、いくらでもあります」
まさに「いたちごっこ」の様相がすでに見てとれる現状は、結局、女子高生たちを地下に潜らせ、彼女たちに迫る危険をより見えにくいものにさせているのかもしれない。
<取材・文/伊原忠夫>
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