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「病気になる人の思考回路には共通点がある」ガン含め数百人の病を“やめさせた”メンタルトレーナーが断言

病気を生み出すのは脳の「苦痛系回路」

 彼の言葉を借りると「病気を治す」のではなく「本人に病気をやめてもらう」のだという。メンタルモデルのズレによって生じる特定の脳の動きが、病気を生み出す。  やりたいことをやっていたり、何かを楽しんでいるときはドーパミンが分泌され、快楽をおぼえる脳の「報酬系」が動き、免疫機能が活性化される。  一方、嫌なことを無理やりやっていたり、矛盾した思いや未消化の感情を貯めていたりすると視床下部・脳下垂体・副腎の反応系列「HPA系」がストレス物質を放出、免疫機能にダメージを与える。これを梯谷氏は独自に「苦痛系」と呼ぶ。現に、最新の脳科学では免疫系に影響を与えガンを発病させたり、動脈硬化を引き起こし突然死の原因になる「キラーストレス」の存在が確認されている。また、国内ではHPA経路に基づくガン発症・進展メカニズムについての研究結果もあり、脳神経伝達と病気の関係は少しずつ明らかにされつつある。  どちらが主に動くかは、本人の固着した思考パターンや、蓄積した怒りや悲しみの度合いによって決まるが、実践ではNLPやLABプロファイルなどのテクニックを使い、苦痛系の元となっている潜在意識を洗い出していく。病気になっている人は1日の6割以上をこの苦痛系に費やしており、それは歯磨きなど些細なことでも一事が万事、確実に影響していると梯谷氏は言う。  たとえば、「面倒だけど不潔に見られたら嫌だから磨く」は苦痛系、「歯を綺麗にして気持ちよくなりたいから磨く」は報酬系が動く。すべてを手にいれた「成功者」と呼ばれるような人でも苦痛系の割合が多い人は体調を崩しているのだという。  ガンの場合、さらに頑なで根深いメンタルの問題が絡んでくる。梯谷氏が、ガンに着手しはじめたのは2年半前。クライアントの病気が相次いで改善されていく中で「ガンも何とかできるのでは」と研究心が湧き、フェイスブック上で『ガンの方、無料モニターに協力していただけませんか』と呼びかけたのだった。  しかし、ガンの代替療法に対する風当たりが強い風潮の中、まるで燃え盛る炎の中に突っ込んで行くようなものだ。失敗すればインチキどころか「殺人者」の烙印を押されかねない。梯谷氏の無謀な試みにコメント欄は案の定批判で埋め尽くされるも、最終的に6人の患者が集まったという。  6人は皆ステージ2から3で、抗がん剤が効かず、または何らかの理由で標準治療を中止しており、あとは死を待つだけの状態だった。梯谷氏は彼らに対し、病気の原因になる思考回路の止め方を教え、自宅でも課題を行うよう指示した。すると4か月後、数人のモニターに変化が現れた。 「ステージ3のリンパ系ガンを患っていた67歳の方が、病院でガンが消失していると言われたというのです。改めて聞いてみると、家族がカルト教団に入り自分だけ脱出してきたが、家族を救い出すのに30年を費やしてしまった。そこでモニター募集に応じたのをきっかけに、どうせ死ぬなら最後に自分の人生を取り戻すことだけを考え、必死になったというんです。ちょうど、私にもガンの相談をしなくなっていた矢先でした」  また、ほかの乳がん患者も6か月目で患部の消失が確認された。 「彼女にはやりたいことがあったのですが、病気を理由にやってなかった。多くの方は、治ったらやろうとしますがこれは逆なんです。『やるなら今やってください』といって、取り組んでもらったのが奏功したのだと思います」
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亡くなったあの芸能人も……民間療法を転々とするガン患者の中で起きている思考対立とは?
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