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バンコク郊外の空き地に廃棄された謎の大型旅客機! 占拠するホームレス一家の正体とは…

当初は華々しくライトアップされていたが…

「機体を使ったレストランをあの場所でやろうとして頓挫したんじゃないか」 「航空会社があの土地を所有しており、不要になった機体をあの場所に捨てたんじゃないか」  広場に廃棄された機体について、幾つかの説を耳にした。ホームレス一家から話を聞くことができなかったため、真相を知るべくタイ語で検索したところ、MGR ONLINEという情報サイトに広場の過去について書かれている記事を見つけることができた。  記事ページの写真には、きらびやかにライトアップされている機体や、ライブ演奏の様子が掲載されている。  記事によると、この広場は2012年12月21日に『Runway Beer Festival』としてオープン。機体をオブジェとして利用し、ライブ演奏できるステージや飲食スペースを設け、毎夜ナイトマーケットのようなイベントが開催されていた。  しかし経営が上手くいかなかったのか、1年後の2013年12月には閉鎖。広場に運び込んだ機体は撤去されずそのまま放置され、広場は荒地と化していった。その後ホームレスが住み始めることになるのだが、彼らは土地所有者の親戚だという。
飛行機

撮影ができた機体内部。以前は人が住んでいたようだが今は荒れ放題

 仕事を持たない親戚たちに提供する代わりに土地を守る警備としての役割を与え、彼らは訪れる者から100バーツを徴収。その金を生活費にあてているのだ。  100バーツは2013年当時の価格、現在は200バーツまで値上がっている。それでもこの広場へ訪れる者は後を絶たず、私が撮影している時だけでもタイ人カップルが姿を見せ、女にお金を支払い、機体をバックにセルフィーを撮影。数枚を撮影し終えるとすぐさま広場から立ち去っていった。  2013年12月から4年以上に渡り放置されている廃飛行機。バンコクは数年前からコンドミニアムや商業施設などの建設ラッシュで沸き、刻々と街並みを変えているだけに、廃飛行機がこの広場から撤去される日もそう遠くないのかもしれない。<取材・文・撮影/西尾康晴>
2011年よりタイ・バンコク在住。バンコク発の月刊誌『Gダイアリー』元編集長。現在はバンコクで旅行会社TRIPULLや、タイ料理店グルメ情報サイト『激旨!タイ食堂』を運営しながら執筆活動も行っている。Twitter:@nishioyasuharu
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