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年収1000万円超を捨てて独立した男の末路――会社の肩書を実力と勘違いし、年収半減…

給料泥棒、ガハハおじさん、名誉副部長etc. 存在自体が目障りな50代社員はどの会社にもいるが、彼らとて望んで“負け組”になったわけではない。負け組50代の主張と打算に耳を傾けつつ、誰もが通る“加齢”の恐怖にどう抗うか、その中から学んでいこうではないか。

会社の肩書を自分の実力と勘違いして独立。現実を知ることに

…門真卓郎さん(仮名・53歳)不動産業/年収600万円/独立3年
門真さん

かつては部下や取引先の担当者を引き連れて、毎日のように銀座や六本木を飲み歩いていたが、今は飲みに行く機会も激減した

 20年以上、大手不動産会社に勤めていた門真さんが独立を決心したのは50代を目前にした頃。懇意にしている取引先から勧められて、同じ業界の仲間たちと会社を立ち上げた。 「サラリーマン時代、店舗責任者だったので年収は1000万円を超えていました。このまま定年まで働き続けるという選択肢もあったんですが、独立して成功を収めている同期を見て、自分のほうが実力は上という自信もあり決断しました」  20代の頃から営業畑で華々しい業績を上げてきた門真さんはエリート街道を突っ走ってきた。そんな過去の栄光を引きずったことが、転落へと繋がっていく。 「最初は以前から付き合いのある取引先の紹介で順調に契約件数は伸びていました。でも、ご祝儀的な契約も多かったので後が続かない。なかなか新規の契約が取れなくて、起業から1年で業績は頭打ちになりました。正直、サラリーマン時代は会社の名前で契約してもらえるところがあったんです。その頃の感覚が抜けないのも良くないんでしょうね。これまで築き上げた営業力や人脈があれば絶対に大丈夫だと過信していたのかもしれません」  一緒に会社を立ち上げたメンバーも成績は大同小異。新入社員を雇っても、自分たちのことで精いっぱいなので育てることもままならない。業績は右肩下がりで、門真さんの年収は半分近くに激減した。 「不動産業界は狭いので、苦戦を強いられているのは前の会社にも筒抜けなんです。心配して電話をくれる元同僚もいて、仕事を回そうかとも言ってくれたんですけど、プライドもあるので断りました」  会社の肩書と自分の実力を混同したことが、失敗の理由なのかもしれない。 ― 負け組50代の背中 ―
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