更新日:2018年05月14日 17:13
エンタメ

アルコール依存の地獄から、禁酒で復活した有名人列伝

曽我部恵一は断酒で芸風が変わった

「お酒をやめることで芸風が変わるパターンもありますね。大の酒好きで知られていた曽我部恵一(46歳)さんは、朴訥とした初期サニーデイ・サービスからは考えられないほどアグレッシブでパワフルなステージを展開している。酒をやめたことでサウンドがパワフルになったのか、パワフルなサウンドを追求するために酒をやめたのか、その因果関係は不明ですが……」(同上)  ねちっこいビートと切れ味鋭いギターで熱狂的支持を集めたTHE STREET SLIDERSは、中心人物のHARRY(59歳)が“不健康ロッカーの代表格”だった。ところが、現在はビールを舐める程度に口につけるだけだという。HARRYの場合、目に見える変化としてMCで饒舌にしゃべるようになったことが挙げられる。なにせインタビュー中もほとんど話さない“度を越した無口ぶり”は、マスコミ内でも恐れられていたのだ。果たして、これも断酒効果なのだろうか!? 「最近の若いバンドはライブが終わっても打ち上げなど行かず、そのまま家に帰るパターンが多い。“ライブはリハみたいなもの。打ち上げが本番”などとうそぶき、高円寺や下北沢の安居酒屋で朝まで騒いでいた昔のバンドマンは、もはや絶滅種です」(同上)  ハードなライブやツアーで体力が削られることは想像に難くないが、作詞や作曲などのクリエイティブな頭脳労働も最後は体力勝負となる。酒池肉林のただれた生活を送っていたミュージシャンたちも、40代に差しかかるあたりから健康志向にシフトしていくパターンが多いのだ。ミック・ジャガーに代表されるように、海外ミュージシャンは非常に健康意識が高い。日本でも「セックス、ドラッグ、ロックンロール」どころか、酒もタバコもやらないミュージシャンが主流派になりつつあるようだ。〈取材・文/小野田 衛〉
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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