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20年以上待ち続けているニューアルバム以上に出してほしい! X JAPANのインディーズ時代の初期楽曲ベスト盤

いつかリリースしてほしい! インディーズ時代の初期楽曲

 さて、XとTerraRosaの共通項をつらつらとあげたのには意図がある。TerraRosaは、インディーズ時代の楽曲を集めた『Primal』(1999年)と、インディーズ時代の楽曲だけのライヴを行ない、その模様を収録した『TERRA ROSA LIVE FROM CODA』(2017年)をリリースしている。  ならばX(X JAPAN)も、TerraRosaのように、インディーズ時代の楽曲をまとめた初期楽曲集をリリースしてほしい! TerraRosaネタは、これを言いたいがための前フリだったのだ、わはは。  筆者は連載第36回で、「X JAPANのアルバムは20年以上待つ価値がある!」と述べたが、ニューアルバム以上にリリースを熱望しているのが、この初期楽曲集なのだ。  実は、X(X JAPAN)の初期の楽曲は、デビュー以降と比較しても劣っておらず美味しい。筆者はハードコア寄りのメタルや“歌謡メタル”が大好物なので、むしろ初期のほうの楽曲が好きなくらいである。 ◇最初のシングルのB面と『HEAVY METAL FORCE III』に収録された「Break the Darkness」 ◇『SKULL THRASH ZONE Vol.1』に収録された日本のメタル・バンドでブラストビートを取り入れた初の楽曲とされる「No Connexion」

「Break the Darkness」が収録されている『HEAVY METAL FORCE III』(1995年)と、「No Connexion」が収録されている『SKULL THRASH ZONE Vol.1』(1991年)

◇『ロッキンf』1988年6月号付録の英語詞と日本語詞が混在した「紅 (Original Japanese Version)」

『ロッキンf』1988年6月号付録「紅(Original Japanese Version)」(筆者撮影)

◇本来ならばX JAPANの代表曲になり得たはずの哀愁漂うスピードチューン「Stop Bloody Rain」 ◇IRON MAIDENの影響を受けながらも、メロディはYOSHIKI節の「We Are X」 ◇NWOBHMと歌謡曲双方の共通する泣きのメロディが炸裂する哀愁バラード「Endless Dream」 ◇インディーズ時代にかなりの頻度で演奏されていたミドルチューン曲「Feel Me Tonight」 ◇哀愁が炸裂する初期の長編曲で「ART OF LIFE」の歌メロの原点とも言える「Lady In Tears」
 など、ここまで紹介した楽曲はすべてYOSHIKI作曲の楽曲だ。また「Terras Damme」や「Steal Your Heart」という詳細が不明な楽曲もある。  HIDEとPATA、TAIJI加入以前のほかのメンバーの楽曲は、さすがに無理だろうが(でも聴きたい)、YOSHIKI作曲の楽曲であれば、レコーディング可能だろうし、何よりもニーズが高い。ノドから手が出るほど欲しい!
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今こそX-HIROSHIMAの出番だ
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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