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“パリピ感あふれる自転車競技”BMXは東京五輪の穴場か?

醸し出されるパリピ感。穴場にはほど遠いBMX競技

 午前中から夕方までたっぷりとつづくレースを観戦していると、そこかしこで観衆同士のつながりが見受けられます。子ども同士がライバル関係にあり、その縁で家族ぐるみの付き合いをしていると思しきグループの多さたるや。子どもが選手として出場し、子どもがコミュニティの軸となっていることで、親同士のつながりも強固でにぎやかになっています。なにせ子どもひとりだけで自転車と重い装備を持ってコースに来るわけにはいきませんから、大抵は親がクルマを出して家族ぐるみでついてくることになり、「BMX界隈」の人数は増し増しになっているのです。  このパターンは本番のチケット争奪戦に向けてもかなりライバルが多くなりそう。普段から休日をコレに捧げている家族が、「子どもにどうしても五輪のBMXを見せてやりたい」と思ったら、万難排してやってくるでしょう。注目度が低いぶん、テレビ中継も充実しないと想定されますので、なおさら現地へと足が向くはず。2018年時点で茨城にこれだけの数で集まっている人々が、「どうしてもBMXが見たい」という強い意欲でチケットを取りにきたら、2020年の東京はとても穴場とは言えないものになるでしょう。  そして、会場全体に漂うそこはかとないパリピ感も穴場っぽくありません。豪華なテントが立ち並ぶ光景や、派手で重厚な装備をつけてジャンプするライダー、場内DJとミュージックによる盛り上げは、ストリート系でちょっとカッコイイ。BMXと知らずに会場に迷い込んだら「BBQイベント的なヤツかな?」とカンチガイしそうな雰囲気とにぎやかさとテントです。男子エリートの部で優勝した松下巽選手の応援団などは、日焼けも厭わず素肌を出した小麦色の美女たちが集い、接戦を制して優勝した瞬間には黄色い大歓声をあげていました。あまりの喜びっぷりに「全員彼女かな?」と思ってしまうくらい、「ウェーイ!」のテンションで美女が選手を囲むグラマラスな光景でした。  結論としては、BMXはそんなにイイ穴場ではないなというところ。「BMXって五輪にあるんだ?」くらいの認知度なのに、裾野はそこそこ広がっており、熱心な観衆がすでにたくさんいる。東京大会では新種目のBMXパークも追加ということで、新種目としての注目も集めてしまうでしょう。そのようにライバルは案外多いわりに、結局は「BMXって五輪にあるんだ?」という話なわけですから、実際に観戦したときの「五輪を見たなぁ」という達成感は低くおさまりそうです。  伊豆に行くのは面倒ですが、これならトラック種目を狙って伊豆に繰り出すほうが、まだ「五輪を見た」という達成感はあるのかなと思います。「五輪で自転車を見てきた」と言ったときに、真っ先に思い浮かべるのはトラック種目のほうなわけですし。  行くも大変、泊まるも大変、道路も狭くてたどりつくのも大変という、穴場を超えた「難所」ではありますが……。

エリート男子優勝の松下巽選手が手を振る先には、小麦色の美女集団がいました

穴場を見に行ったはずなのに最初から最後までずっとにぎわっているという期待ハズレ


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