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自衛隊の定年は53歳! 年金受給の65歳までどう暮らしているのか?

自衛官に課された50代での職探し

 だいたい、53歳での職探しで生活を維持できるような仕事が見つかるでしょうか? 自衛隊は退職年齢に達した自衛官に対して就職支援をしていますが、働ける職場は保険外交や警備、物流などがメインです。もちろん階級によっては大企業の顧問クラスに収まることもありますが、大多数の自衛官には高齢にもかかわらず体力勝負な仕事しかありません。子供の結婚や大学受験の頃にガツンと収入が下がるという生涯設計で、少子化一直線な給料体系なのです。子育ての一番お金のかかる頃に窮乏するというのでは安心して長く働けません。  しかも、今回のこの定年延長の裏には、この若年給付金をなくそうという動きも見え隠れしています。逆なんですよ。たとえ国が侵略されるような本当の危機が起こっても、後顧の憂いなく国を守るために戦闘に出撃してもらおうと考えるなら、恩給を復活するくらいのことはするべきなのです。  さらに退官後の自衛官の暮らしもビンボーに落とし込む改悪だけは絶対に止めてほしいと声を大にして言っておきたいです。
陸上自衛隊

陸上自衛隊Facebookより

 すでに自衛官の曹士クラスの充足率は70%程度にまで下がっています。指揮官が足らない訳ではなく、若く肉体的にキツイ任務もこなせる、現場のいわゆる「兵隊さん」達が足らないのです。若い人が足らないのに、高齢者を増やしても何の足しにもなりません。その階級の人員を増やすなら、定年延長や募集年齢枠を32歳までに広げるという小手先のやり方ではダメなのです。  自衛官の離職を下げる対策としては、定年が早すぎる自衛官に、その後の収入に関係なくもらえる恩給を出し、たとえ戦闘で怪我を負っても安心な制度を設けることです。曹士クラスの隊員が応募して来ないことに対しては、現役自衛官の退職金を下げたりせず、とにかく「その仕事に十分報いることができる賃金まで」給料をUPすることです。国が自衛隊、防衛省に対して、ケチケチするから自衛官が足らなくなるのですよ。  だって一生懸命に汗水たらして国のために働いて、50代でわずかな若年給付金だけで定年を迎え、老後のつらい生活が予定されている職業のどこに魅力があるんですか? 軍人に対しての敬意がみじんも感じられません。  敬意も誇りもない国家。一体誰のため、何のための経費節減なんでしょうね。それで国が滅んでも財務省は責任をとってくれませんよ。<文/小笠原理恵>国防ジャーナリスト。関西外語大卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。2009年、ブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。2014年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。自衛隊が抱えるさまざまな問題を国会に上げる地道な活動を行っている。月刊正論や月刊WiLL等のオピニオン誌にも寄稿。日刊SPA!の本連載で問題提起した基地内のトイレットペーパーの「自費負担問題」は国会でも取り上げられた。『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)を上梓

自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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