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スカウトマンが見た銀座ホステスの行く末…成功する女性と落ちていく女性は何が違う?

 大人の社交場「銀座」。ハイグレードなホステスたちが相手をする代わりに、男たちは大金をばら撒く。男も女も羽振りよく見えるこの街は普通のサラリーマンからすると縁のない場所かもしれない。では、外側からはうかがい知れない銀座ホステスたちの実情はいかに? 一体どのようなホステスが売れ、どのようなホステスが消えていくのか。   銀座でスカウト業を営む城戸さん(30代後半・男性)に銀座ホステスたちの行く末を聞いた。私たちとは違う世界にいるようなホステス嬢たちも、銀座の街で輝けるのは一瞬だけなのかもしれない。 銀座

スカウトマンが語る銀座のホステスの傾向

 城戸さんは銀座でスカウトマンを始めてから13年、多くの女性をホステス業界へ送り込んできた。まず、銀座ホステスにはどのような女性が多いのだろうか。 「銀座のクラブに勤めている女性の大半は、昼の仕事をしている。銀座の場合、出勤は夜の19時~20時くらい。仕事が終わった後に銀座に来て、1時間ほど身なりを整えてから店に出てくるね。職業は、企業の事務や受付嬢、歯科衛生士、美容クリニックが多い。風俗だと看護師が多い印象だけど、銀座の場合、夜勤が多い仕事をしているとなかなか難しい。あとは女子大生が働いていることも多いね」 銀座 クラブが集まる場所といえば銀座のほかに歌舞伎町、六本木、西麻布などが挙げられる。  街によって女のコのタイプも変わるようで、上記の3箇所ではどちらかというとギャル系がウケる。一方で銀座はアナウンサー系の落ち着いた女性の人気が高いという。「場所によってその女のコが、売れるか売れないかも変わってくるから、その子に適した店を探し出してあげることもスカウトマンの仕事だよ」と城戸さんは話す。

銀座ホステス嬢の成功パターン

 銀座ホステスの年齢層は20代半ば~後半と比較的高めだ。女のコが活躍できる期間が長く、年齢で見た際のウケ幅も広いという。とはいえ、30代、40代になってしまっては第一線で働くことは難しい。では引退後、ホステスたちはどこへ行ってしまうのか。 「成功パターンの1つが起業。美容系のサロンを麻布界隈にオープンするのが王道かな。起業という目標を掲げて銀座にくるような女のコは、大概売れて大金を稼ぐ人気ホステスになっていく。そういう子に限って、目標金額が貯まったらスパッとホステスを引退するね。現状に満足してダラダラ続けるような子はいないよ」  起業という上のステージに進んだ女性はホステスたちからも一目置かれた存在になる。しかし「水揚げ」というパターンでホステスを引退すると妬みの対象になってしまうそうだ。水揚げとはカネを持った客と結婚して店を辞めるケース。その繋がりから起業に結び付くこともあり、ホステス会では勝ち組の部類に入るようだ。 銀座「銀座で成功する女性の特徴として、ほかの街で成功した後に銀座に挑戦するパターンもある。歌舞伎町でナンバーワンを取って、少し落ち着いてきたあたりで銀座にくるとかね。特に上野から銀座に上がってきた女性はなぜか高確率で成功する。上野は銀座への登龍門といってもいいくらいだね」  歌舞伎町は派手に遊ぶというイメージだが、銀座は大人の社交場。金銭的にも精神的にも余裕のある男性たちが集まる。となれば、上野で遊んでいる男性は、派手には遊ばないが銀座にくるまでのレベルではないということ。「上野は私がいるような場所じゃない」と違和感を持ち始め、銀座に上がってくるそうだ。
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銀座ホステス嬢の行く末
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元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion

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