仕事

逃げるが勝ち!歌舞伎町の女社長が教える「最も賢いケンカの解決法」

「絶対にここを開けないでください」

 今度は私の番です。まず、店に鍵をかけ、力の強そうな黒服に事情を説明し、「他の黒服の誰かが外に出ようとしても、絶対にここを開けないでください」とお願いしました。  そして、お店の隅で所在なさげにしていた店長と話しました。店長はすぐさま私に哀願しました。 「どうしてお客様が怒ったのかわからないから理由を聞きに行きたい。お客様がいる場所に案内してください」  私は当然、その申し出を断りました。すると店長がお客様に電話をしようとするので、電話をされては元の木阿弥だと電話をさせないようにしていました。  今度は副店長が「店長が不当な理由でお客様に殴られたりするのを黙って見ているわけにいきません。そのお客様に謝らせにいきます」と言って、店のドア付近を固めている黒服にタックルを繰り返していました。黒服には熱い男が多いのです。  それから1時間くらいして、勇敢な黒服から連絡がありました。「お客様をタクシーに乗せて家まで送って、自分もそのまま家に帰ります」。

ケンカが起こったときは「両者を引き離す」

内野彩華

内野彩華

 その頃になると、店長も副店長も落ち着いてきたので、私も家に帰ることができました。この事件以来、私はケンカが起こったときに「両者を引き離す」ことがいかに大切かをさらに思い知りました。  男の人は「自分が正しいことを力で証明したい」という本能が強いのだと思います。そして「バカにされたくない」「負けたまま終わりたくない」という気持ちが強い生き物なのだということも。  でも店内でケンカをされても、自分の力を証明しようとされても、メンツを保とうとされても、ほかのお客様に迷惑だし、店にとってもとても迷惑です。その後も何度もケンカや事件は起きていますが、うちは全て店内で解決し、警察いらずです。  ケンカが起こったときは「冷静なほうがその場から逃げる」。もしくは、気づいた時点ですぐ仲介する人が「両者を引き離す」に限ります。みなさんも試してみてくださいね。もちろんそもそもケンカが発生しないことが一番ですが! <TEXT/内野彩華>
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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