自衛隊の“トイレットペーパー自腹問題”が、感動の結末を迎える
「自衛隊ができない50のこと 45」
そろそろ年の瀬となってまいりました。日刊SPA!のこの連載でも何度もレポートしてきました「トイレットペーパー自腹問題」が、やっと解決しそうな局面を迎えております。昨年から与党自民党議員の中にも自衛隊のトイレットペーパーが自腹という現実を知る議員が増え、調査があったり党内の議論になっていると聞いていました。そして、さる11月1日、自衛隊記念日の衆議院予算委員会において、立憲民主党の本多平直議員が「すごくミクロで大変申しわけないんですが、逆に、自衛官の誇り誇りと言っている総理にこれはぜひ聞いていただきたいんですけれども、トイレットペーパーの、何か人数当たりの何センチとかという基準を決めていて、それが大抵足りなくなって、自衛官の方は自費でトイレットペーパーを買っていると。どこの役所で今どきそんなことがあるんですか。これは真っ先に解消していただきたいと思うんですけれども、いかがですか」と質問しました。
これに対して、岩屋防衛大臣が「そのような話は、実は私も防衛大臣に就任する前に、地元の自衛隊家族会の皆さんから聞かされたことがございました。お尋ねのトイレットペーパーについては、隊員が自費購入していた場合もあると承知をしております。しかし、現在では、消耗品の中でも特に優先度の高いものとして、各駐屯地、予算を執行していると思いますが、さらに、これについてもきちっと行きわたるように、隊員の負担ということにならないように、しっかり指示を出したいと思います」と答えています。
岩屋防衛大臣がトイレットペーパー自費購入の事実を認め、予算執行の優先順位を上げてトイレットペーパーを買うことを徹底すると国会で言ったわけです。
安倍総理も「このミクロの問題については直ちに対応していきたい」と述べました。防衛大臣も総理大臣も認め対応すると明言しました。
やっと、やっと、自衛隊の全ての駐屯地、基地、施設で、トイレに普通にトイレットペーパーがあるように改善される日が来るのです。
すでに防衛省では日用品を隊員が自費購入していないかを調べるアンケートが回っていると聞いています。隊員の皆さんはせっかくの機会ですから、ほかにも自費購入しているものがあれば問題点を忌憚なくしっかりと申し出てほしいと思います。今が改善のチャンスなのです。やっと自衛隊のトイレにトイレットペーパーが常備される日がきたとお祝いしたい気分です。
自衛隊記念日の国会の質問で些細なことですが、毎日の問題の一つが解決されてよかったと思います。
「トイレットペーパーを自費購入させているのか?」と国会で質問された!
防衛大臣と安倍総理が、対応すると明言した
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おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot
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『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』 日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる…… |
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