“ワインの劣化を防ぐ神ガジェット”ならボトルを開けて2週間後でもおいしく飲めた
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第28回 ―
お酒関連のガジェットは個人的に好きなうえ、経営している原価BARにいち早く導入したいということもあり、幅広くチェックしています。そんななか、数か月前に「神楽ディスペンサー」という製品を知りました。簡単に言うと、ワインの劣化を抑えてくれる製品です。
ワインは開けてしまうと、数日で劣化してしまいます。足が早いものだと1日も保ちません。空気に触れて酸化してしまうのです。本来であれば、グラスでいろいろ飲みたい時でも、まずは1本空けなければなりません。古来からの課題で、いろいろなアプローチが取られてきました。
いろいろな機材を試しましたが、空気を抜いたり酸素を薄めたりする手法はほとんど効果がありません。2倍の期間を保たせるのは困難だと感じています。そんななか、「Coravin」という製品は効果がありました。窒素ガスを注入しながら注ぐので、空気にほとんど触れることがないのです。ネックはランニングコストが高いことです。原価BARでも「Coravin」を導入しています。
その点、「神楽ディスペンサー」は、ランニングコストがありません。ワインを注ぎ、落とし蓋を浮かべるだけです。本体をそのまま冷蔵庫に保管し、飲みたいときはレバーをひねって注ぎます。
初めて製品を見たとき、こんな単純な構造でこの2000年間の悩みが解決するとは思いませんでした。しかし、落とし蓋の精度にこだわり、ほとんど空気に触れないことがわかるとありなのか? と考えるようになり、実際に試してみました。
コックレバーを閉めてワインを1本まるまる注ぎ、落とし蓋を落として、外ぶたをつければ準備完了です。まずは、「パスカル・トソ レゼルヴァ カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」。濃くて美味くてコスパのいいお気に入りです。1日にハーフショットずつ、2週間飲み続けました。
結論としては、2週間後もおいしく飲めました。1週間を超えるあたりから驚きの毎日でした。ただし、「無変化」ではありません。開封直後と比べるとわずかずつ味わいは変わるのですが、かえっておいしく感じることもありました。
ワインの劣化は古来からの課題だった
ワインの劣化を防ぐ神ガジェットの実力は?
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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