なぜプリウスを買う人が多いのか? そんなに得じゃないのに…/腕時計投資家・斉藤由貴生
この2台で年間走行距離が1万kmだとすると、燃料代の差はいくらになると思いますか?
計算してみると、2台の燃料代の差額は、年間約15万円程度にしかならないのです。1回の給油額がかなり異なるため、感覚的には約15万円よりも、はるかに差額があると期待してしまいます。
もちろん15万円というお金は大金ではありますが、輸入車オーナーにしてみれば、“それほど高くない1回の修理代”ともいえます。
とはいえ、年間1万km程度しか走行しない方にとっては、元が取れないプリウスですが、年間2万kmとなると話は変わってきます。
先程の計算に基づいて、2万kmで計算してみると、維持費を同様としても、プリウスのほうが年間37万円安くなるのです。この場合、3年だと111万円、5年だと185万円程度セルシオより安くなるため、プリウスのほうがセルシオよりも「お得」に乗れる可能性が高くなるでしょう。
ちなみに、私がプリウスに乗っていた際は、年間走行距離が2万km以上という環境だったため、プリウスならではのメリットを感じ、大変満足していました。しかし私は今、年間1万kmも走らない生活環境のため、セルシオに乗っていますが、また2万km乗る環境になったならば、ハイブリッド車やディーゼル車を検討すると思います。
結論としては、年間走行距離が多い人がプリウスを買うのはありだけど、1万kmも走らないような人がプリウスを買うのは、メリットを活かせないということになります。何も考えずにプリウスを新車で買うならば、ちょっと考えてトヨタ系の中古車で3年保証付きの中古クラウンを買うほうが、良い買い物となるのではないでしょうか。1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
新車のプリウスは250万円以上、中古のセルシオは38万円という価格差なので、年間1万km走って年間15万円程度の差額なら、新車のプリウスより中古のセルシオのほうが遥かに得だといえないでしょうか?
もちろん税金などの維持費はプリウスのほうが安いのです。私の経験ではその差額は6万円程度で、燃料代と維持費を合計すると、プリウスとセルシオとでは、プリウスのほうが年間22万円安いということになります。
年間22万円程度の差額ですから、3年乗っても差額は66万円程度にしかなりませんし、5年でも110万円程度の差です。売却価格を考慮しても、新車のプリウスは中古のセルシオに対して、元が取れるとは思えません。
走行性能や快適性では、新車のプリウスより、中古でも18年落ちセルシオのほうが圧倒的に上だといえます。ですから、金銭面で元が取れないのであれば、中古のセルシオやクラウンに乗ったほうが経済的にも、人生の楽しさにおいても幸せだといえるでしょう。
プリウスを乗るほうがお得な人はどんな人?
『もう新品は買うな!』 もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう |
1
2
『もう新品は買うな!』 もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう |
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ