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フリーター生活20年以上…正社員経験がないまま中年になった男の未来は?

 バブル崩壊後の’93~’05年の就職氷河期に社会に放り出され、その後のキャリア形成期にデフレとなり、給料が上がらないまま36~48歳の中年になったロスジェネ世代。就職、結婚、資産形成など人生におけるさまざまな局面で辛酸を舐め続けたロスジェネ中年たちは今、新たな問題に直面している。およそ2000万人いるといわれる、社会が生み出した「ロスジェネ中年」に救いはあるのか。そのリアルに迫る!

万年フリーター

一面に湿布が貼られている北山さんの背中。「以前、引っ越しのバイトでギックリ腰に。40代の肉体労働は厳しいものがあります……」

氷河期に負け続けたことで就職の道が完全に途絶える


 厚生労働省が発表した「非正規雇用労働者の推移」によると’17年の35~44歳のロスジェネ世代の非正規の人数は372万人に及ぶ。これは15年前に比べて100万人増の数字だ。北山誠さん(仮名・42歳)は大学卒業後に一度も正規雇用の経験がなく、20年以上にわたりフリーター生活を送っている。

「氷河期に体験した“不採用”で負け続けたことで、『どうせ自分は正社員になれない』という感情が強いんです。それに、20 代の頃はバイトを掛け持ちしていたので、月収30万円を超えたときもありました。同世代の正社員より稼げてるじゃん!と余裕を持って生きてきたのですが……」

 年齢とともに体力の落ちたことで、当然、掛け持ちはできなくなった。長い肉体労働の蓄積で重い腰痛持ちになり、バイトも短時間の仕分け作業しかできない状態に陥ってしまったという。

「年収は100万円程度まで落ちたので、2年前から実家に戻りました。たまに妹からは『早く実家を出て、就職して自立しなよ』と小言を言われる始末です。でも、もう就職できる気はしない……」

万年フリーター

妹の帰省時には、部屋に引きこもるという北山さん。通販で購入した腰痛対策グッズが現在の彼の唯一の心身の癒やしとなっている

 この北山さんのように、ロスジェネ世代の中年フリーターたちは、「正社員に恐怖心を持つ人も多い」とキャリア・カウンセラーの錦戸かおり氏は指摘する。

「バブル崩壊後の超氷河期には、“会社に縛られない生き方”としてフリーターが提唱されました。今となっては、その自由がアダになっている状態。有期雇用を繰り返し、20代における能力開発の機会に恵まれなかった。彼らは時代の被害者だといえると思います」

 今から正社員経験も、資格もないままで、ロスジェネ世代が就職するのは正直厳しい部分が大きい。年齢を重ねた行く末は、老人フリーターか、生活保護か。

― ロスジェネ中年の絶望 ―





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