「自分で考ていない人」は権威を鵜呑みにしている
昔は祖父母が協力してくれて、母親の負担が軽くできる環境が普通にありました。そのため、赤ん坊のペースに合わせることが比較的容易でした。しかし現代で同じようにやろうとすると、たくさんの母親が参ってしまう状況があります。そうならないためのアドバイスであり、そこには紛れもない医師の善意があります。
しかし、そのアドバイスもあくまでも一般論です。自分の赤ん坊がその一般論に該当するとは限りません。決まった時間に決まった量を飲ませようとしても、何の病気や怪我や障害がなくても飲まない子もいます。また、1万人超の子どもを対象に英国のエセックス大学とオックスフォード大学が行った調査によると、授乳のタイミングを赤ん坊任せにした子供の方が、学力テストやIQテストの点数が高い傾向があるそうです。
時間と量を決めて飲ませた方がいいのか。それとも、タイミングを赤ん坊に任せて飲ませた方がいいのか。「良い」という判断は、判断基準によりけりです。母親の負担軽減のためと、赤ん坊の知育のためとでは、何が良いかは変わります。これはお母さんと赤ん坊の授乳だけに限りません。あらゆる判断は自分の環境によって、判断基準そのものを変える必要があります。それが自分で考えるということです。
信念は過去のどこかのタイミング心に根付き、それ以降の思考と行動を作り出しています。そして、その信念が解消されなければ、目の前で信念とは別のことが起きていても、他の思考や行動を選択できません。そうした盲目的な信念が生まれやすいのが権威です。責任は権威にではなく、権威に従うかどうかを決める自分にあります。
常日頃から自分の思考パターンである信念を振り返る癖をつけましょう。「自分はあの時、あの人の話を鵜呑みにしたのだ」と気づくと、その信念から自由になり、自分の現実に合わせて考えられるようになります。私たちは自分で全てを考えることはできません。自分が根拠を掴んでいない選択を取る瞬間は必ずやってきます。それを避けることはできません。大切なのは自分がどうしてその思考や行動を取っているのか、その基盤である信念を自覚するように努めることです。
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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