入社2週間で会社を見切った新入社員…それぞれの理由とは?
佐々木さんはあくまでも子会社社員。親会社の意向に逆らうことは許されず、万一逆らおうものなら部品のごとく取り替えられ、切り捨てられる。佐々木さんは会社の飲み会で、先輩にそう告げられた。
「会社には派遣の人もたくさんいます。子会社社員は、派遣の人たちをさらにこき使おうとする。なんというか、階級社会じゃないですか。社内がこんな状況でありながら、働き方改革だ、男女平等だ、なんてどの口が言ってるんだって。綺麗事ばかり」
同じような思いの同僚と話し合い、第二新卒向けの就職セミナーに参加し始めた佐々木さん。
厚生労働省の発表(2018年10月)によれば、新卒(大卒)がわずか1年で辞めてしまう率は11.9%。非常に多くの若者たちが、すぐに「見切りをつけた」という。
好景気、人不足、こうした超売り手市場であっても、今回のように若者たちが日本企業や古い仕組みに絶望すれば、そもそも経済が発展するわけがない。給与さえ良ければいい、という若者は減少し、平和を重んじ、家庭やプライベートの時間を重視する傾向も顕著だ。
新しい「令和時代」には、こうした流れに拍車がかかることも予想される。その時、変わるべきは我々旧来人なのか、新人類の若者なのか。その答えは火を見るよりも明らかだろう。<取材・文/山口準>
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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