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“おっさんLINE”を要約したら、ピチカート・ファイブの名曲になる――patoの「おっさんは二度死ぬ」<第47話>

おっさんLINEと呼ばれるのはやはりツラい

 なんでも、馬場さんが狙っている風俗嬢とLINE交換をし、さあ、LINEでやりとりするぞ、となったときに、どんな話題を出していいのか気になったそうだ。興味あるテレビ番組とか俳優とか、そんな話をした方がいいのかなと思い、彼女の情報を仕入れようと考えた。  そこでアクセスしたのが馬場さんが大好きな「お礼日記」だ。そして、そこで衝撃的な文言を目撃してしまう。  それは、特にお礼の日記というわけでなく、雑談めいた日記だった。お礼日記の中に混じる嬢の日常みたいな日記だ。  そこにはこんなことが書かれていた。同僚のアミちゃんから送られてきた「おじさんLINE」ウケる、という記述だった。  おじさんが女のコに送りがちな、ちょっとキモい、ちょっと空回り、ちょっと何言いたいのか分からない、そんなLINEだ。それを同僚のアミちゃんが真似してきてめちゃめちゃウケる、という内容だった。 「おじさんLINE」  その言葉が馬場さんの心をキュッと締め付けた。そして不安になったそうだ。これから自分が送るLINEは「おじさんLINE」じゃないのだろうか、おじさんが女のコに送りがちな、ちょっとキモい、ちょっと空回り、ちょっと何言いたいのか分からない、そんなLINEじゃないだろうか、そう不安になったのだ。  僕は馬場さんの気持ちが痛いほどわかる。  僕も放っておくとたぶんすごいおじさんLINEになると思う。「やっぱおっさんから来るのはおじさんLINEだよね~」なんて揶揄された日にゃ、やはり傷つく。そんな事情もあって、僕はもうLINEでは用件しか送らないようにしている。雑談の類は一切しない。  「東京、夜、7時」  こんな用件だけだ。一見するとピチカートファイヴの名曲かと勘違いしそうなLINEしか送らない。それくらい委縮してしまっているのだ。  その余波は比較的高い鈍感力を有していると思われる馬場さんにまで及んでいた。怖い、俺のLINEはおじさんLINEじゃないか、そう考えると何も送れなくなってしまったらしい。  「だからよ、ちょっと送るつもりのメッセージを見て欲しいんだよ。おじさんLINEなのかどうかチェックして欲しい」  それを僕に頼まれても別におじさんLINE鑑定士ではないので確かなことは言えないが、まあ、キモいかそうでないかくらいはアドバイスできるかもしれない。  「いいですよ」  そう快諾し、実際に送るつもりのメッセージを見せてもらった。実際に全てを書き写したわけではないので記憶がおぼろだが、必死で思い出して再現するので是非とも読んで欲しい。
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おっさんLINEから無駄をそぎ落としたら、原型が残らない
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pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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