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授業参観で子供よりもはしゃぐ母親…元教師が語る驚きの実体験

朝顔の観察で子供を叱るモンペ母

 また別の理科の授業参観では、母親グループ20人ぐらいが参加。前回の数人よりも人数が多いので、自分勝手に行動して授業をぶち壊す保護者はいないだろうと思っていたが、甘い考えだったことに気づく。 朝顔 「授業は朝顔の観察でした。熱心にグループ観察をしている生徒から、朝顔の成長について発言があった時のことです。1人の母親が『私も朝顔の観察をしていいですか』と手をあげて、子供たちのグループに入ってきたんです。『すごく良く成長しているね』と子供たちに話しかけるまでは良かったんですが、『もっと水をあげないとダメじゃない!』『花が可愛そう』と児童にガチ説教を始めて、授業をぶち壊しました。参観の母親たちは苦笑いをしているだけでした」  そこで杉本さんが「お母さん、すみません。子供たちの観察なので遠慮してもらえますか」とお願い。すると、舌打ちをしてものすごい顔つきで睨んできたそうだ。参観が終わってから担当に訴えたところ、「父兄には手紙を書いておくから」となだめられたので杉本さんはそれ以上この問題に触れまいと思った。 「ところが後日、例の母親から『あいつは態度が悪い』とクレームが学校に入ったそうです。仕方なく『不快な思いをさせたなら申し訳なかった』と伝えましたけど、あれじゃただのクレーマーですよね」  しかし、授業妨害をする親はまだまだいた。 「算数の授業参観の際は、答えを導き出すプロセスを生徒に教えていると、参観していたお母さんが後ろから答えを言ってしまったんです。やんわり注意すると後日『あいつは教え方が悪い』とクレームが来る。こんなんではもう、授業が成立しません」 モンペ 授業参観のたびにモンスターペアレンツに悩まされ、何も対策を取ってくれない学校側に嫌気がさした杉本さん。毎年同じようなことが繰り返されやる気をなくしてしまった彼女は、28歳で結婚を機に退職。憧れの教師の道は険しかったようだ。<取材・文/夏目かをる> ― シリーズ・モンスターすぎる親たち ―
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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