年金デモを「税金泥棒」と呼んだホリエモンの没落/古谷経衡
年金デモを「税金泥棒」と呼んだホリエモンの没落
堀江の趣旨は以下の通り。 「このデモに参加してる奴の大半は実質的に納税してる額より給付されてる額の方が多い」 いつから堀江はデモ参加者の納税額を透視できるエスパーになったのだろうか? そしてデモに参加するのは日本国憲法第21条「集会・結社の自由」により保障されており、年金給付額の多寡とは一切関係がなく、民主主義社会での当然の権利を実行したまでだ。 早速この堀江の頓珍漢なデモ参加者への罵倒を的外れと批判した著名人らに対し、堀江は「バカ」だの「クソ」だのという言葉で嚙みついた。そのとばっちりは私のところにも来た。 堀江は「馬鹿な年金デモの参加者を揶揄する用語として“税金泥棒”を使ったまでで、納税額が低いからデモをするなとは一言も言ってない。捻じ曲げるなクソが(後略)」などと、自身への批判すべてを「クソ」と決めつけて拡散したのである。 しかし、徹頭徹尾バカなのは堀江で、民主主義社会の基礎とか、年金制度に対して明白な無知をさらけ出している。そもそも、ライブドアの有価証券報告書等の虚偽記載で数多の株主に大損害を与え、証券取引法違反で2年6か月の実刑判決が確定し、「国民の税金」で運営される長野刑務所に収監されていたのは、紛れもない彼自身だ。 こんな支離滅裂の堀江にも、まるで「信者」と言われる支持層が頑なにいる。『堀江貴文のブログでは言えない話』の購読者がそれだ。詳細な会員数は不明だが、およそ2万人強といわれる。単純計算で1600万円を毎月、堀江はこのブログで稼いでいる。ほんとそんな時間あったら働いて納税しろや。税金泥棒め。 https://t.co/oF9vK29be1
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2019年6月18日
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(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数
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