アプリでは、7月10日に『ドクターマリオ ワールド』が配信されています。ただ、iOS、Androidのセールスランキングでは低空飛行が続いています。また、9月25日に配信が始まった『マリオカート ツアー』は集計日数が短く、数字的には決算に大きく寄与していません。米調査会社によると欧米では好調で、配信1か月で1億2390万DLを超えたとのデータが出ています。『マリオカート ツアー』は期待されていたマルチ対戦が未実装の段階で、秘めたポテンシャルは大きいと言えます。 　任天堂はスマホアプリに関しては、「モバイルビジネス」とひとくくりで数字を出すため、個別タイトルのはっきりしたデータは明示されていません。モバイルビジネスの上半期の売上は199億円（前年同期比6.4％増）。やや伸び悩みの感があります。 　また、DL販売の存在感が増し、ゲーム専用機のソフト売上高全体に占めるデジタル売上高の割合は、上半期で36.2％（前年24.8％）と3割を超えてきています。 　ここまでは上半期の数字を見てきましたが、ここからは今後の展望。初のNintendo Switch向けとなるシリーズ正統新作『ポケットモンスター ソード/シールド』（11月15日発売）がクリスマス商戦の目玉。この『ポケモン』新作のためにNS Liteが投入されたともささやかれているだけに、ソフトとハード、相乗効果でどれだけ売上を伸ばせるか注目です。 　また、12月27日に『脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』、3月20日に無人島でスローライフを送る『あつまれ どうぶつの森』が発売予定。どちらも携帯機のNS Liteと相性のいいタイトル。3DSの後継機としてNS Liteが定着するかも下半期のキーポイントです。 ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン～なつかしゲーム子ども実験室～』（マイクロマガジン社）はゲーム実況の先駆けという声も