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たった300円で新幹線に乗車できる区間がある? 実際に乗ってみた

―[シリーズ・駅]―
 出張や旅行などで誰もが一度は利用したことのある新幹線。近距離の乗車でも新幹線用の特急料金がかかるので決して安くはないが、片道たった300円で乗車できる区間があるのをご存知だろうか?
博多駅

博多駅にやってきた

 それは九州の「博多駅~博多南駅」の8.5キロ。そこで今回、筆者がこの激安区間の新幹線に乗車。その様子をレポートする。

新幹線であって新幹線じゃない?

 やって来たのは博多駅。300円であることは事前に何度も調べて確認済みとはいえ、こんな値段で本当に乗れてしまうのか不安になってしまう。  なぜなら東海道新幹線の「東京駅~品川駅」(6.8キロ)は1070円、東北・上越・北陸新幹線の「東京駅~上野駅」(3.6キロ)は1040円と、博多駅~博多南駅よりも距離が短いのに料金が高いからだ。
切符は通常の新幹線用ではなく近距離用のもの

切符は通常の新幹線用ではなく近距離用のもの

 だが、そんな不安をよそに、新幹線改札口近くの自動券売機であっさり切符が購入できてしまった。300円の内訳は、運賃が200円で特急券が100円。それぞれ別に発券されたが、いずれも新幹線バージョンの大きなものではく近距離用の小さな切符だ。
特急列車扱いだが『のぞみ』や『こだま』などの列車名はない

特急列車扱いだが『のぞみ』や『こだま』などの列車名はない

 改札口の出発列車の電光掲示板には、博多南駅行き列車の時刻が表示されているが、ほかの新幹線と違って『のぞみ』や『ひかり』などの列車名の表示はない。
これで300円は贅沢だ

これで300円は贅沢だ

 なぜなら博多駅~博多南駅間が「博多南線」という在来線になっているため。車両はどこからどう見ても新幹線だが、厳密には在来線の特急列車(※しかも、名称はなし)という扱いらしい。  これは、博多南駅が新幹線の車両基地になっている博多総合車両所にあることが関係している。もともとこの周辺には鉄道駅がなく通勤や通学に不便で、国鉄時代から地元住民の強い要望があり、1990年に博多南駅を開業。それまで回送列車だった新幹線の一部を旅客列車として運行させたのだ。  ただし、「全国新幹線鉄道整備法」という法律における新幹線の定義から外れるために在来線として届出。それで認可されたため、車両や線路は新幹線だが、建前上は新幹線ではないというわけだ。

ズラーッと並ぶ新幹線を間近に眺めることができる

 でも、それは国や鉄道会社の側の理屈であり、利用客にとってはあまり関係ない。たまたま乗り合わせた通学で博多南線を利用する女子大生に話を聞いたが、「ちょっと贅沢な気分になれます(笑)」と新幹線通学を気に入っているとのこと。戻りの博多駅行き新幹線で乗り合わせた博多南駅近くに住む男子大学生も「新幹線通学ってなんかカッコイイですよね。友達にも『俺、新幹線で通ってるんだぜ!』って自慢してます」と話していた。確かに、ドヤ顔で言いたくなる気持ちもわかる。
車内

ほぼ貸し切り状態だった

 なお、筆者は朝のラッシュ後の時間帯に乗車したこともあり、同じ車両に乗っていたのは、女子大生のほかに親子連れの1組だけとほぼ貸し切り状態だった。
途中で九州新幹線と分岐して博多南駅へ

途中で九州新幹線と分岐して博多南駅へ

車両基地に駅があるので新幹線がいっぱい!

車両基地に駅があるので新幹線がいっぱい!

 ちなみに親子連れにも話を聞いてみたが、「子供に『新幹線に乗りたい!』っておねだりされて乗りに来たんです。片道300円なので主婦としては助かります(笑)」と母親。特に博多南駅ではたくさんの新幹線が並んだ姿を間近に見ることができ、子供は大はしゃぎ。筆者は冷静を装っていたが、ほかではなかなかお目にかかれない光景ということもあり、撮り鉄ではないのだが思わず写真を撮りまくってしまった。
博多南駅のホーム

博多南駅のホーム

博多南駅の正面玄関

博多南駅の正面玄関

普通の在来線の駅と変わらない博多南駅の改札口

普通の在来線の駅と変わらない博多南駅の改札口

 博多南駅は新幹線が発着する駅とは思えないほど小ぢんまりしており、ホームも1つだけ。
博多南駅の駅前

博多南駅の駅前

 しかし、駅周辺にはマンションなどが建ち並び、福岡のベッドタウンとして人気の高いエリアだという。
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さらに安い片道250円で乗車できる区間も
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