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幻の“日本一長い曲”の正体は…なんと47番まで歌詞がある理由

―[クリスのお宝箱]―
(BORO編) アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!

BOROもビックリ!幻の日本一長い曲『愛の町 恋の町』とは?

 みなさん、こんにちは。クリス松村です。今回みなさんにご紹介するのは、『大阪で生まれた女』(※1)のヒット曲で知られるBOROさんです。私がMCを務める番組『ミュージックモア』では、スタジオライブで、『大阪で生まれた女』と、40周年記念アルバム『RISING!』から『小さな拳銃』を披露していただきました。
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BOROさん

 そんななか、番組の名物コーナー「クリスのお宝箱」披露したお宝箱の中身は、BOROさんに「関係があるような、ないような」、そんなお宝なんです。 「何だろう? わくわく」とお宝箱を覗き込むBOROさん。
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BOROさんも気になる宝箱の中身は……

「『大阪で生まれた女』の原曲は、18番まである長い歌詞ですが、今回のレコードは星和也(※2)さんという歌手が歌った『日本一長~い歌 “愛の町 恋の町”』です」
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市販されなかった『日本一長~い歌 “愛の町 恋の町”』の見本盤

 北海道から沖縄まで47都道府県を舞台にした、この『日本一長~い歌』は、見本盤で市販されず、まさにお宝! そう簡単に手に入りません。LPレコードの表と裏をひっくり返さないと、47番まで聞くことができません。  作詞作曲は、藤圭子さんの『新宿の女』『圭子の夢は夜ひらく』などヒット曲で知られる石坂まさを先生。1978年のレコードです。  ちなみに『愛の町 恋の町』の1番は、北海道の札幌が舞台で、「♪私、女です、好きなんです」。  青森は、「♪私、女です、つらいんです」  岩手は、「♪私、女です、悔しいんです」  秋田は、「♪私、女です、寒いんです」  山形は、「♪私、女です、耐えたんです」  いわゆるご当地ソングです。

目頭を押さえて思わず涙ぐんだBORO。いったい何が?

「どうして、こんなレコードを持っているの?」とBOROさん。  レコードコレクターとしては、たとえ演歌でも、『日本一長~い歌』というレコードを見つけたら、買わないと気が済まないんです。
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私のカバー範囲の広さには、BOROさんも感心してくれました

 ちなみに、さだまさしさん『親父の一番長い日』(1979年)は演奏時間が12分30秒で、普通のシングルの約3倍! とても長いので、当時の邦楽では異例の12インチシングル盤(※3)として発売されています。  星和也さんは、アイドルのような素敵なお顔を知れているんですが、ジャケット写真の裏に載っていたプロフィールを見ると……。 ・本名:山下和哉 ・生年月日:昭和36年1月31日 ・出身地:鹿児島県
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ジャケットの写真の星和也さんは、今で言うイケメンでした

 1978年は、多くのアイドルがデビューした年で、この番組にも出演していただいた、石川ひとみさん(『右向け右』)、石野真子さん(『狼なんか怖くない』)、金井夕子さん(『パステル ラヴ』)、それからアリスからソロデビューした堀内孝雄さん(『君のひとみは10000ボルト』)や山本達彦さん(『突風』)も、この年デビューです。  いまや幻となった『日本一長~い歌 “愛の町 恋の町”』という見本盤のLPをご紹介できたので、星和也さんにも喜んでいただけるんじゃないかと思います。星さんが番組を見てくれたら、嬉しいなあ。  さて、「クリスのお宝箱」を楽しんでいただいたBOROさんでしたが、突然、泣き出しちゃったんです。声を震わせ、目頭を押さえたその理由? そのあたりの話は、どうぞ、1月18日放送の番組でご覧ください!
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BOROさんにいったい何が……

(※1)『大阪で生まれた女』はBOROのセカンドシングル(1979年)。この曲は本来、全18番からなる34分の長編組曲で、出会った時は高校生だった男女が共に成長し、愛を育み、やがて大人になり、それぞれの道を歩むまでを描いた。シングル盤は、この原曲の4番と6番、16番の一部の歌詞を用いてつくられた。 (※2)星和也は、演歌を歌うアイドルで、1978年「愛の町 恋の町」でデビュー。LP(見本盤)は日本全国47番の歌詞があるが、シングルは1番から4番まで。札幌、新宿、神戸、長崎が歌の舞台になっている。 (※3)12インチ(30センチ)レコードには、LP(Long Play)盤と、LPと同じサイズでシングル盤同様に片面に1曲だけ収録した12インチシングルがある。LPは溝を浅く掘ることで数多くの曲を録音できるがその反面、音質を犠牲にしている。12インチシングルは、溝を深く掘りことで高音質、さらに7インチのドーナツ盤よりも録音時間が長い。
タレント、音“楽”家(おんらくか)。 邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。
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