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上司にヘッドフォンをしたままの挨拶はあり?20代と40代のマナー問題

新世代の常識③ 上司や先輩とは対等。タメ口も親密さの表れ

 20代は、役職や肩書による社内のヒエラルキーを絶対とする感覚もない。そのため、“上司や先輩を対等だと扱う”ような言動が、彼らにとっては常識となる。 「コンビニに行く先輩におつかいを頼む」「エレベーターで会うとヘッドフォンをしたまま」などは、その代表的な例だ。 その新常識はまちがっている!「エレベーターに上司が乗ってきたらわざわざヘッドフォンを外して挨拶するなんて、軍隊じゃないんだから……と抵抗があります。ちゃんと会釈はしていますし」(27歳・コンサル)と、そこに悪気は一切ない。 「彼らは成果主義・実力主義をはき違え、自分は上司や先輩ともフラットな関係だと勘違いしています。『わかりみ』『ヤバい』『よろしくです』などの若者言葉をナチュラルに使ってしまうのも、年長者が自分と同じ文脈やニュアンスでその言葉を使っていると思い込んでいるから。伝わらない人もいるかもしれない、という想像力が働かないんです」(心理学者の榎本博明氏)  こうした彼らの感覚に対しても、非常識と決めてかかってはいけないと西出氏。 「上から目線ではなく、あくまでも社会人の先輩として“あなたのために”という愛情を持って諭すことが大切です。会社への貢献度合いや責任の重さ、給料というコストなどを例に挙げながら、上司や先輩には一定の敬意を持って接するべきだと説明します。また、上下関係を尊重することで、あなたへの扱いもよくなるということを納得してもらいましょう」

新世代の常識④ 退職代行を使ったほうがコスパがいい

 物心ついたときからスマホやSNSを使いこなす彼らの弱点は、対面でのコミュニケーションを負担に感じてしまうことだ。 「『退職代行業を介して一方的に退職を通告』は、今の20代の一般的な感覚。面と向かって上司に伝える気まずさや面倒くささにコミュニケーション・コストを払うくらいなら、代行してもらったほうが“コスパがいい”と考えます。しかし、多くの企業では退職の意思表示を『希望日の1か月前』などと就業規則で定めている。規則に則って円満退社するほうが後処理がスムーズで、あなたにとっても有利だと伝えましょう」(平賀氏)  退職に対してしつこく引き留めたり嫌がらせ、悪質な恫喝や暴行が行われるブラック企業でないのなら、コミュニケーションを避ける新世代に40歳以上は寂しく思うようだ。
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なぜそんなに違う? さとり世代特有の仕事観とは?
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